弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京のPCR検査陽性率56.1%

NHK「新型コロナウイルス PCR検査の「陽性率」 全国的に上昇か 」(2020年4月18日)は,次のとおり報じました.

「全国の陽性率は、国内で初めて感染者が確認された1月15日から先月14日までが平均で6.2%だったのに対し、最近では、16日までの2週間の平均は12.9%と2倍程度に増えています。」
「東京都が先月14日までの平均が10%だったのに対し、4月16日までの2週間の平均は56.1%で全国で最も高くなっています。」と報じました.
「東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「陽性率があがっているのは潜在的な患者の数が増えてきたことを示していると考えられる。また、感染の拡大を受けて多くの人が検査を受けるようになったことも理由の1つとして考えられる。陽性率が高まると感染と診断される人の数も増えてくるので、医療への負担が大きくなる。現在、医師が必要と判断しても検査を受けられないケースがあると聞いているが、重症者を救うためにもリスクの高い、高齢者や基礎疾患がある人などを優先的に検査できるように検査態勢を拡充することが必要だ」と話していました。」


つまり,陽性率が高い東京は潜在的な感染者が多く,感染しやすいことが分かります.
この状況では感染が疑われ医師から検査必要と判断された人をすべて検査することが必要ではないでしょうか.

感染した場合どのような結果になるかは,忽那賢志医師の津整理が参考になります.

忽那賢志医師は「年齢、基礎疾患、肥満、性別、喫煙・・・新型コロナが重症化するリスクは?」(2020年4月18日)は,「年齢が最大の重症化因子」と述べています.
また,基礎疾患については,次のデータを紹介しています.

「中国での約45000人のデータだと、持病のない患者と比較してがん、高血圧、慢性呼吸器疾患、糖尿病、心血管疾患の患者では致死率が高いことが分かっています。」
「またイタリアで亡くなった新型コロナ患者355人のうち、117人(30%)が虚血性心疾患、126人(35.5%)が糖尿病、72人(20.3%)が活動性のがん、87人(24.5%)が心房細動、24人(6.8%)が認知症、そして34人(9.6%)は脳卒中の既往があったとのことです。またこれらの亡くなった方では複数の持病を持っている患者が多く、平均2.7の持病を持っており、172人(48.5%)が3つ以上の持病を持っていたとのことです。 」
「新型コロナウイルス感染症が重症化しやすい人
・65歳以上の人
・老人ホームや介護施設に住んでいる人
・慢性呼吸器疾患、中等度~重症の気管支喘息
・重篤な心疾患
・免疫不全患者:免疫不全の状態を引き起こす原因としてがんの治療、喫煙、骨髄移植、臓器移植、HIV感染症、ステロイドやその他の免疫抑制薬の長期使用など
・重度の肥満(BMI40以上)
・糖尿病
・透析・慢性腎疾患
・肝疾患
(CDC. People Who Are at Higher Risk for Severe Illnessより)」


日本は高齢化社会で,これらの調査の「重症化しやすい人」にあたる人は少なくないと思います..

4月18日,東京都で新たに10歳未満の子どもを含む181人の感染が確認されました.このうち.124人が感染経路不明です.渋谷署留置場に勾留していた20~60代の男5人の感染が確認されました.出入国在留管理庁はようやく収容中の外国人の仮放免を積極的に認め始めました.感染者累計は2975人になりました.
死亡者は5人で,4人は70代から90代の男性で,もう1人は遺族の同意が得られず年代や性別を公表できないとのことです.死亡者累計は68人となりました.
東京では必要病床数2500に対し確保病床数は2000で,500床の不足が生じています.
この状況が続けば医療崩壊は必須です.
がNTTドコモのデータでは2月前半と比べ東京の人出が5~6割減ったとのことです.目標率にはほど遠い現状です.

ハーバード大学は終息まで2年と予測しています.薬,ワクチンがでっきるまで,警戒態勢を続ける必要がありそうです.

厚生労働省は,配布の布マスクの一部に汚れなどの不良品があったと発表しました.
ミキハウスの子ども用ガーゼマスクは往復はがきでの申込みと抽選になりました

私は,昨日,誰とも会いませんでした.
もちろん,弁護士は基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とするので,患者側弁護士としての業務を停止することは弁護士倫理上できませんので,直接面談以外の方法で業務を支障なく遂行しようと努めています.

谷直樹

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by medical-law | 2020-04-19 00:59 | 医療