弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

不要不急の検察庁法改正

検察は厳正で不偏不党でなければなりません.
新型コロナ感染のなか,不要不急の検察庁法改正が行われようとしています.

東京新聞社説「検察官勤務延長 政治介入を招く案だ」(4月9日)は,「検察庁法の改正案が国会に出されている。検察官の定年を六十五歳に引き上げるが、政権が認めれば定年を超えて勤務できる内容を含む。政治の裁量で検察人事に介入が可能で、強く反対する。」「この異様な人事こそ問題の出発点である。これをいったん許せば、今後、改正案どおり政権は常に検察人事を左右できる。民主国家の根本だけに到底、うやむやにできない。」と述べています.

朝日新聞社説は「検察庁法改正 許されぬ無法の上塗り」(4月14日)は,「政府は従来、検察官の定年延長は認められないとの立場だったが、今般、解釈を変えることにしたと言い出し、決定を正当化した。立法時の説明や定着した解釈を内閣だけの判断で覆す行為は、法の支配の否定に他ならない。法案は、その暴挙を覆い隠し、さらに介入の余地を広げる内容ではないか。」と述べています.
「延長の必要性について森雅子法相は、『他の公務員は可能なのに検察官ができないのはおかしい』という、検察の職務の特殊性や歴史を踏まえぬ答弁を繰り返すばかりだ。
さらに今月9日の国会では、定年延長が求められる社会情勢の変化として災害を挙げ、「東日本大震災時に検察官が最初に逃げた」などと唐突に述べた。不適切な発言として首相から厳重注意を受けたが、支離滅裂ぶりは目を覆うばかりだ。きのうも議員の質問に答えない理由を「行政裁量だ」と言い放った。閣僚としての資質を著しく欠き、この法相の下でまともな審議が成り立つとは思えない。
混迷の出発点である高検検事長人事の背景に、首相官邸の意向があるのは明らかだ。検察への信頼をこれ以上傷つけないために、定年延長の閣議決定をすみやかに取り消すとともに、検察庁法の改正作業も仕切り直すことを求める。」「この異様な人事こそ問題の出発点である。これをいったん許せば、今後、改正案どおり政権は常に検察人事を左右できる。民主国家の根本だけに到底、うやむやにできない。」
と述べています.

沖縄タイムズ社説[は「検察庁法改正案審議入り]緊急性がなく撤回せよ」(4月19日)は,「検察庁法では検事の定年は63歳で、検事総長のみが65歳である。延長の規定はない。黒川氏は2月に退官することになっていたが、直前になって、政府は半年後の8月まで延長する閣議決定をした。黒川氏は官邸と近く、検察トップの検事総長に据えるためとみられている。政府が定年延長の根拠にしたのは国家公務員法(国公法)の延長規定だった。だが国公法改正案を議論した1981年、人事院幹部は国会答弁で「検察官には適用されない」と明確に否定していた。このため安倍晋三首相は2月の衆院本会議で突如、81年の政府答弁の法解釈を変えたと答弁した。積み重ねてきた法解釈を政権の都合で勝手に変更されたのでは、法の支配を根底から崩すことになる。」と述べています.
「共同通信社が3月に実施した世論調査で黒川氏の定年延長は「納得できない」が60・5%で、「納得できる」を大きく上回った。法改正すれば、検察に対する国民の信頼が失われるのは間違いない。改正案は今ほんとうに必要なのだろうか。緊急性はまったくないはずである。法案はもちろん、定年延長を認めた閣議決定も撤回すべきだ。」と述べています.

谷直樹

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by medical-law | 2020-04-19 15:53 | 司法