弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

慶應義塾大学病院、コロナ以外で入院予定の患者の約5.97%(67人中4人)が陽性と発表

慶應義塾大学病院は、4月21日、「4月13日から4月19日の期間に行われた術前および入院前PCR検査において、新型コロナウイルス感染症以外の治療を目的とした無症状の患者さんのうち5.97%の陽性者(4人/67人中)が確認されました。これは院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があり、感染防止にむけてさらなる策を講じていく必要があると考えております。」(「新型コロナウイルス感染症に関する当院の状況について」の「今後の見通し」)と発表しました.

東京都で新型コロナ無症状の人を対象にPCR検査を実施した初めての報告です.
67人と対象人数が少ないこと等を勘案しても、現在の東京都では20人に1人が感染していると考えられます.つまり、スーパーマーケット或いは車両にに20人の人がいれば1人は感染していると考えねばなりません.新型コロナの症状がなく別の疾患で病院を受診する人の20人に1人が感染していると考えねばなりません.
東京都の人口の5.97%の人を収容隔離することは不可能でしょう.

感染者の中に抗体ができる人とできない人がいるのではないか,と言われており,厚生労働省は,ちかく数千人を無作為に抽出して抗体検査を実施するとのことです.精度の高い,抗原検査・抗体検査により,感染している人と抗体をもっている人の数が推定できます.現時点では抗体検査の信頼性は低いとされています.

病院以外で死亡した患者について死後に検査したところ新型コロナウイルスに感染していたと判明したケースが相次いで報告されています.新型コロナウイルスに感染し軽症だとして自宅待機を指示されていた埼玉県白岡市の50代の男性が保健師に体調不良を訴えた翌日に死亡したと報じられました.自宅待機の人を医師・看護師がフォローする体制が必要でしょう.

4月22日、東京都で新たに132人の感染が確認されました.このうち感染経路不明は77人です.累計3439人になりました.氷山の一角の数字でしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2020-04-23 01:56 | 医療