弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日本感染症学会「抗新型コロナウイルス抗体の検出を原理とする検査キット4種の性能に関する予備的検討」

朝日新聞「抗体検査キット、献血使い性能を評価 加藤厚労相表明」(2020年4月24日)は,「加藤厚労相は抗体検査について、体内に抗体が作られるまでに時間がかかることからPCR検査と同列としては考えられないとしつつ「PCR検査と組み合わせることで、より精度の高い診断を行える可能性がある」と期待を込めた。また、経済活動の再開など出口戦略を作るにあたり、抗体保有率が指標の一つになるとの認識を示した。」と報じました.

日本感染症学会は,4月17日,現時点において、抗新型コロナウイルス抗体検出キットを当該ウイルス感染症の診断に活用することは推奨できない,としています.

同学会は,「厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部よりキットの性能評価に関する協力依頼があったところですが、「抗新型コロナウイルス抗体の検出キット4種の性能に関する予備的検討」を行いましたのでご報告いたします。」として,「抗新型コロナウイルス抗体の検出を原理とする検査キット4種の性能に関する予備的検討」を,サイトに掲載しました.

「新型コロナウイルスに対する特異抗体を検出することを原理とする診断キットの性能は、キット間の差が大きい可能性がある。血中の新型コロナウイルス抗体を検出するキットには、定められた評価法がない。今後、抗体価の測定が可能なenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)など、精緻な方法を併用して評価することが望まれる。現時点において、抗新型コロナウイルス抗体検出キットを当該ウイルス感染症の診断に活用することは推奨できず、疫学調査等への活用方法が示唆されるものの、今後さらに詳細な検討が必要であると思われた。」
と考察しています.

米国での抗体検査の結果が報道されていますが,抗体検査の精度を考慮して慎重に評価する必要があると思います.

日本で行われる抗体検査についても,診療に評価する必要があると思います.

内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室に勤務する40代の男性職員が,4月19日,西村康稔経済再生担当相とともに東京大学医学部付属病院を視察し,21日以降発熱が続き24日にPCR検査を受けて陽性が確認されたとのことです.男性職員が勤務していた部屋を消毒し、同部屋だった数人の職員を25日以降はテレワークとするのことです.中央合同庁舎8号館全部の消毒は行っていないようです.

BS日テレの「深層NEWS」で,川越救急クリニック院長の上原淳氏は,「他の病院の事情を聞くと、通常の手術ができないケースがある。医療崩壊は始まっているのではないか」と述べました.日本救急看護学会理事の山勢善江氏は,「スタッフが足りない。通常の十分な救急患者へのケアができない点で、医療崩壊は起きていると考えている」と述べました.慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏は,「物流の仕組みが整っておらず、(防護具が)どこかにたまっているのではないか」と述べました.退職した人の復帰援助,防護具などの確保は,緊急の課題と思います.

仮設の医療施設が藤沢の湘南ヘルスイノベーションパークの敷地内に建築中で,5つの病棟計180床が5月から7月にかけて順次完成予定とのことです.

谷直樹

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by medical-law | 2020-04-25 04:31 | 医療