弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

岩田健太郎教授,残された道はロックダウンしかない

「日本に残された道はロックダウンしかない理由、神戸大・岩田教授が警鐘」のご一読をお奨めします.




■ 経過が長い病気だから横ばいはまずい状況
「東京では、新規感染者数は横ばいに近い推移ですが、これをどう評価すべきか?私は、まずい状況だと考えます。COVID-19(以下、新型コロナ)は、経過が長い病気なんです。軽症者からもなかなかウイルスがなくならないし、重症者も呼吸不全のまま、人工呼吸器につないで何週間も治療しなければならないような長期戦になる。
 そんな長期戦の中で、東京だと毎日100人以上の新規感染者が出て、入院者も増えていく。加えて、医者や看護師が感染するという院内感染もあちらこちらで起きています。すると、患者数は増える一方で、医療サイドのマンパワーは減っていく。このダブルパンチが医療崩壊を招きますから、東京の「新規感染者数横ばい」というのは、決して許容できません。やはり大きく減らす必要がある。もっと強力な外出規制を実行しないとダメだということです。」

■ 無症状者を隔離しにくいので広がる
「無症状者が多いという点だけ見れば、大した病気じゃないとも言えるけれど、その分、感染者を隔離しにくいから、病気がどんどん広がっていく。非常にタチの悪い病気なんです。」


■ 抗体イコール免疫ではない

「抗体ができるということと、免疫ができるということは必ずしもイコールではなく、しばしば抗体はできているのに免疫はできていない、という現象が発生します。」
「抗体ができた人が5~6割に達すれば、必ず集団免疫が獲得できる、という話にはならないのです。
 また、免疫ができた人でも、その状態が3カ月続くのか、1年なのか、一生なのかは、まだわかりません。」


■ ワクチンができない,治療薬もパッとしない未来もある
「そもそもワクチンが作れない可能性だってあるんです。現に、HIVはもう40年間も研究していますが、いまだに成功していない。SARS(重症急性呼吸器症候群)のワクチンもありません。治療薬もパッとしないものばかり、という未来だって、あり得ます。

■ 外出はダメ,どうしてもの場合は2m以上空ける
「単純に「外出はダメ」、そして、どうしても外出が必要な人――警察官や医者、看護師、救急隊員など――は、「人と2メートル以上距離を空ける」。ロックダウンに必要なのは、この2つだけで、非常にシンプルです。
 とにかく一般の人に対しては、「外に出てはいけない」と言い続けるべきで、そうすれば新型コロナの患者さんはどんと減ります。そして医療崩壊は免れますから、国民だって生き延びられる。」


■ 短期間に強いロックダウンを行うほうがだらだら自粛より経済へのダメージが少ない
「短期間に強いロックダウンを行って、その間は政府が全力で企業や国民に経済支援などを行う。これが一番、経済にとってはダメージが少ないはずです。
 新型コロナ対策か経済活動か、どちらを取るか、という話ではないのです。新型コロナを抑え込まないと、経済活動は再開なんてできないんですから。ここを間違わないようにしないといけない。」
 「厳しくロックダウンを実施すれば、少なくとも自国(地域)内の感染を抑え込むことはできるということは、すでに諸外国のデータが示している通りです。ただし、世界のどこかで新型コロナが蔓延(まんえん)している間は、第2波、第3波は防げない。ここが、パンデミックの厄介なところです。


谷直樹

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by medical-law | 2020-04-28 18:49 | 医療