弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

勘違いをしているのはどっち

西村康稔経済再生担当大臣は「(吉村知事が基準を)国が示さないから大阪が示すと。何か勘違いをしているんではないか。強い違和感を感じています。ご自身で休業要請されて、ご自身で解除されるわけですから、ご自身で説明責任を果たすのは当然であります」と述べました.
たしかに,休業要請は大阪府が行ったことですが,国の緊急事態宣言に基づくものです.
国が緊急事態宣言を延長すること自体は前から言われており,緊急事態宣言延長を発表する際に,専門家会議の検討に基づき緊急事態宣言終了の数値基準を示すようなことを述べていたと思います.
吉村洋文大阪府知事が勘違いをしているわけではなく,敢えて言えば,勘違いをしているのは西村康稔経済再生担当大臣のほうではないでしょうか.
どうして,「国も大阪モデルを参考に検討し,早急に明確な基準を示めします」と言えないのでしょうか.

吉村洋文大阪府知事は,府が創設した「新型コロナウイルス助け合い基金」に10億円の寄付の申し込みが来ていることを明らかにし,感染者を治療する医療従事者に1人あたり一律20万円を渡す方針を示し,これとは別に,軽症患者や無症状感染者を受け入れている宿泊施設の従業員らにも,一定金額を送る方向で調整しているとのことです.
アベノマスク466億円と雲泥の差です.
国が必要な医療,医療者支援を行わないから大阪府が行っているわけですが,西村康稔経済再生担当大臣ほこれについても「勘違い」と言うのでしょうか.

【追記】
安倍首相は,大阪モデルを意識し,専門家会議に,流行状況について再評価とあわせて,基準作成を求め。どういう基準で解除したか、解除しなかったところはどういう基準でしなかったのかを示したい,と述べました.専門家会議がその基準をもっているなら,あてはめは14日になるにしても,基準自体は14日を待たずに公表できるはずです.評価の基準事態は科学的エビデンスに基づくべきで,もし,安倍首相が経済への影響を考慮して解除の範囲,時期を決め,それにそうように専門家会議が基準を決める,とすれば,専門会議は安倍首相の隠れ蓑になってしまうでしょう.専門家会議は医学医療的判断を行い,現実的な対応については政治家による政治的判断に委ねるのが適切と思います.
指標によりデータのとりかたが変わってくることになりますので,流行状況を評価する指標についてコンセンサスが得られれば,指標自体は早めに公表したほうがよいのはないかと思います.

吉村大阪府知事は西村経済再生担当大臣のツイッターを引用し「西村大臣、仰るとおり、休業要請の解除は知事権限です。休業要請の解除基準を国に示して欲しいという思いも意図もありません。ただ、緊急事態宣言(基本的対処方針含む)が全ての土台なので、延長するなら出口戦略も示して頂きたかったという思いです。今後は発信を気をつけます。ご迷惑おかけしました」としました.
大人の対応ですね.

谷直樹

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by medical-law | 2020-05-06 22:08 | 医療