弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

北海道札幌市の第2波の教訓

人口比でみると,札幌市の感染者の割合は,東京との感染者の割合より高率です.手早い対応で感染を押さえこんだかにみえた札幌市ですが,第二波に苦しめられています.海外ではこれを失敗例とみる報道があります.

北海道新聞「「北海道の第2波」各国注視 早期制限緩和の失敗例と紹介」(2020年5月9日)は次のとおり,各国の反応を伝えています.

「北海道が海外で広く注目されたきっかけは、欧州各国が制限緩和を模索し始めた4月中旬の英BBC放送(電子版)の報道だった。鈴木直道知事が2月に日本で初めて緊急事態宣言を出し、いったんは封じ込めに成功しながら、その後の宣言解除で第2波に苦しむ現状を、「サクセスストーリー」が一転したと指摘。流行が「多くの人が思っているよりも長く続く」と警鐘を鳴らした。
 他の英メディアも追随し、大衆紙メトロは「宣言解除は早すぎた。地元企業からの圧力で引き起こされた誤りだ」と論評。有力紙テレグラフは「制限を解除しようとしている国は、北海道から学ぶべきだ」とする専門家の意見を載せた。

 米国で感染の最大の「震源地」となったニューヨークのデブラシオ市長も今月3日の記者会見で「悲しいことに北海道では(規制解除の)26日後に再び感染が急増し、厳しい規制に戻らなければならなくなった」と言及。感染がいったんは沈静化したものの、早期に経済活動を再開させたことで感染拡大を招いた香港やシンガポールも例に挙げ「彼らの失敗に学ぶことができる」と、外出制限の早期緩和に慎重姿勢を示した。
 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスによる8日現在のニューヨーク市の感染者数は約18万人で、千人に満たない北海道とは桁が違う。それでも「失敗例」として取り上げる背景には、国内で経済活動再開などを求める声が強まる中、制限継続の意義や第2波の怖さを伝えることに苦心していることがありそうだ。

 夜間外出禁止などを継続しているタイ政府の感染症対策センターの報道官も2日、「北海道は制限を早く緩めすぎてしまい、第2波の発生を招いた」と指摘。「タイでの制限の緩和は、より慎重に段階的に行わなければならない」と強調した。(ワシントン 平畑功一、ロンドン 河相宏史、バンコク 森奈津子)」


第1波はクラスターつぶしで対応できましたが,第2波は献饌経路不明が多く,第1波と同様の戦略では対応が難しいようです.北海道の例から,感染確認が5人以下の日が続いても,必ず第2波が来ると考えておくべきでしょう.
私は,札幌地裁の裁判も担当していますが,web期日の指定が取り消しになりました.

谷直樹

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by medical-law | 2020-05-10 10:24 | 医療