弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

手術による正中神経損傷で市民病院が1330万円を支払うことで和解(報道)

NHK「○○○市民病院が医療ミスで和解」(2020年5月12日)は次のとおり報じました. 

「○○○市民病院は、3年前、患者の手の手術を行った際、誤って神経を損傷して指にしびれなどが残ったとして、女性に1300万円あまりを支払うことで和解しました。
○○○市民病院によりますと、平成29年7月、整形外科の40代の男性医師が、指のしびれを訴えて「手根管症候群」と診断された○○県の55歳の女性患者を1人で手術したということです。
この手術で症状は改善せず、女性が○○県の別の病院で手術を受けたところ、「正中神経」に○○○市民病院での手術が原因とみられる損傷が見つかったということです。
女性は指にしびれが残るなどその後も十分に回復せず、病院が手術に問題がなかったか検討した結果、誤って神経を損傷した可能性が高いことがわかり、ことし3月、医療ミスを認め、女性に1330万円を支払うことで和解しました。
○○○市民病院の○○○○院長は謝罪した上で、今後は、専門の医師から助言を得るほか、ミスが起きないように複数の医師で手術するなどして再発防止に努めるとしています。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
毎日新聞によると示談金額は1330万円とのことです.
手根管症候群は手根管の内圧が上昇し正中神経が圧迫されるために起きる疾患です.難治性のものについて手術が行われることがあります.もともとの症状との関係で立証が複雑ですが,上記報道の件では損傷がみつかっています.手術により正中神経を損傷した場合,本来損傷は回避可能なものですから,注意義務違反(過失)があったと言ってよいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-05-15 09:47 | 医療