弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日本医師会COVID-19有識者会議「COVID-19感染対策における PCR検査実態調査と利用推進タスクフォース」 中間報告書,PCR検査の利用に関する国の司令塔設置提言

日本医師会COVID-19有識者会議の5月13日の「COVID-19感染対策におけるPCR検査実態調査と利用推進タスクフォース」中間報告書は,PCR検査がすすまない行政側要因の解消のために,PCR検査の利用に関する国の司令塔機能(情報収集、戦略、指揮、調整、広報等)の設置等を求めています.
つまり,保健所は機能を果たせず,電話すらつながらない状況ですので,保健所に代わる司令塔が必要ということです.

また,緊急事態の発動・解除および社会・経済活動の起動の判断と対策効果の基本評価指標に活用するために,PCR検査件数の拡大が必要で,そのための財源の確保が必要としています.
PCR検査の件数がきわめて少ない中で,不十分な評価指標によって判断がなされようとしている現状に鑑み,賛同できます.

さらに,信頼性あるPCR検査のための精度確保のためには,調査(外部精度評価)と施設間差の是正、精度管理物質の利用の促進とその実施が必要で,それに向けた財源の確保が必要としています.
これも全くそのとおりです.抗体検査も行われるようですが,外国のものではなく日本のもので行うべきと思います.
不安定な海外発注に依存しない試薬供給,ニーズに合う需給調整機能を構築することも必要で,そのための財政支援も必要としています.

第2波,新たな病原体によるグローバル・パンデミック感染症(新興感染症)への対応のために,長期的な国家戦略として,次の3点を提言しています.
1 国家戦略的なPCR検査件数の拡大推進と精度確保
2 国家戦略的な国内医療産業基盤
3 国家戦略的な医療機関の機能整備
第2波,COVID-19以外の感染症の世界的流行に備えることも重要です.


谷直樹

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by medical-law | 2020-05-20 22:45 | 医療