《沐浴する女性》
《沐浴する女性》(1890-1891年)は,メアリー・カサット氏の版画です.
メアリー・カサット氏は,その展覧会が数年前横浜と京都で開かれたこともあり,日本でもよく知られた画家です.
カミーユ・ピサロ氏に学び,ドガー・ドガ氏の勧めで印象派の展覧会に出品したバリバリの印象派の画家でした.この印象派時代の作品も知られています.今メトロポリタン美術館に印象派のコレクションがあるのは,メアリー・カサット氏の尽力によるものです.
その後,印象派を離れ,母と子の姿などシンプルで的確な作品を制作しました.
メアリー・カサット氏は,1890年(明治23年)に,浮世絵展を見て,インスパイアされ,銅版多色刷りの版画を制作しました.女性の日常を描いた10点組は絶賛されています.全部見てみたいものです.
その中の《沐浴する女性》は,友人ドガ氏に「女(メアリー・カサット氏)にこれが描けるとは信じられない」と性差別発言をさせたことでも有名です.
デフォルメされた平面的な構図と装飾的な図柄,華やかではありませんが綺麗な色,日本風の(後の夢二の《黒船屋》とも共通する)柔らかな曲線など,近代西洋画にはない表現で斬新です.
谷直樹
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