弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター,画像診断報告書の確認不足により腎癌の治療開始が遅れた事例を公表

地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターは,2020年5月29日,画像診断報告書の確認不足により腎癌の治療開始が遅れた事例を公表しました.

「1事案の経緯
○患者様の年齢性別70歳代女性
○2019年3月全身の発疹のため、当センター皮膚科を受診○2019年4月上旬~下旬(複数回受診)食欲不振等の訴えがあったため、内臓疾患による発疹の可能性も疑い、体幹部(胸、腹、骨盤)CTを実施。主治医はCT検査画像の結果を確認し、特段の病変が見受けられない旨を当該患者様に説明。
○2019年4月24日放射線科が、「左腎癌の疑い」を指摘する画像診断報告書を作成し、電子カルテシステム内に報告
○2019年5月上旬当該患者様が皮膚科受診。主治医は画像診断報告書が作成・報告されていることに気付かず、報告書の内容について患者様に説明しなかった。

2 本事案が判明するに至った経緯
○2019年12月、大阪急性期・総合医療センターにおいて画像診断報告書の確認不足により肺癌治療が遅れた事案(2019年12月25日報道発表)が判明したことを受け、当センターにおいて、同様の事例がないか確認をすることになった。
○2020年5月15日各診療科で確認作業が進められている中で、本事案が判明

3 判明後の対応(2020年5月15日以降)
○造影剤を投与したCT検査による精査を実施した結果、病変が左腎細胞癌であること、肺転移があることが判明
○患者様及びご家族様に対し、造影CTの検査結果を報告するとともに、これまでの経緯について説明・謝罪した。併せて、今後の治療の進め方を説明した。

4今後の対応
(1)当該患者様の病状が改善するよう、当センターとして、全力を尽くしてまいります。
(2)当面の再発防止策当センターでは、主治医が電子カルテシステム上で画像診断報告書を確認すれば、ボタンを押して確認済みであることを記録する運用を行っています。
○画像診断報告書を確認の上(電子カルテシステムの)「確認ボタン」を押下するよう、全医師に対し周知・徹底を図った。
○システム上で「未確認」のものについて、2週間ごとにリストアップの上、確認を行うよう促す仕組みを導入○放射線科医が、CT画像を読影した結果、緊急の対応を要する病状(の疑い)が見受けられる場合、主治医に対し直接連絡を入れる仕組みを導入
(3)本事案の原因究明・再発防止策の検討等今後、当センター内に、速やかに外部委員を含めた事故調査委員会を設置し、本事案の原因究明及び再発防止策の検討を行い、その結果を報告書に取りまとめ、公表します。
(4)未確認の可能性のある画像診断報告書の全件調査現在、システム上で「未確認」のものについて順次確認作業を進めています。現時点では他に本事案と同様の事例は認められていませんが、残りの部分についても調査を行います。」


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ



にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2020-05-30 15:46 | 医療事故・医療裁判