弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

記者に抗体検査を受けさせるのは?

西日本新聞「SBIが会見前、記者に異例の抗体検査 「現在の感染調べるものではない」疑問の声も」(2020年6月9日)は,次のとおり報じました.

「ネット金融大手のSBIホールディングス(東京)などは8日に東京都内で開いた記者会見で、新型コロナウイルスの抗体検査を受けることを記者の入場条件にした。
(中略)
厚労省関係者は今回の対応について「抗体検査キットは、その時点での感染の有無を調べるものではない。その結果による入場制限は妥当だとは言いがたい」と指摘。都内で抗体検査に携わる久住英二医師も「会見場で距離を空け、発話者がマスクを着用すれば、感染が広がるリスクはほぼない」と強調した。

 報道の取材制約やプライバシー侵害につながりかねないとの懸念もある。医療問題に詳しい木下正一郎弁護士は「過剰とも言える対応で、合理的ではない。報道、表現の自由を侵害している」と指摘。森亮二弁護士は「データの情報管理の仕方にもよるが、有効性と必要性に疑問がある検査で病歴に関係するような情報を取得するのはプライバシーの観点から問題がある」と話す。」


SBIホールディングス等は記者に抗体検査を受けさせることの法的問題について顧問弁護士に聞くべきだったと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2020-06-09 17:40 | 人権