《ばらの騎士op.59》
ホーフマンスタール氏は,1929年に脳卒中により55歳で亡くなりましたが,シュトラウス氏は1949年まで生きて85歳で亡くなりました.ナチス協力者の疑いで裁判が行われましたが,無罪になっています.
シュトラウス氏は,エンターテイント指向が強いため,低く見られ,古くさいとも言われていましたが,今日では,録音技術が進み,映像作品も廉価に入手できるようになったこともあり,そのオペラ,交響詩は真価が多くの人に理解され支持されています.
《ばらの騎士op.59》は,アマデウス・モーツァルト氏のオペラブッファ《フィガロの結婚 K.492》を意識し,より大規模,豪華にしたものです.宝塚っぽいズボン役ケルビーノは,オクタヴィアンに引き継がれています.貴族のラブコメですので古いといえば古いですが,ワルツ,三重唱など流麗で明るく,楽しい音楽です.
村上春樹氏は,『騎士団長殺し』でゲオルグ・ショルティ氏盤(1968~69年)に言及しています.レコードで聴いていたのでしょう.
一般的に,カルロス・クライバー(Carlos Kleiber)氏盤でしょう.
1973年盤は,元帥夫人がクレア・ワトソン氏,オックス男爵がカール・リッダーブッシュ氏,オクタヴィアンがブリギッテ・ファスベンダー氏,ゾフィーがルチア・ポップ氏です.
1979年盤は,元帥夫人がギネス・ジョーンズ氏,オックス男爵がマンフレート・ユングヴィルト氏です.オクタヴィアンとゾフィーは1973年盤と同じです.
1993年盤は,元帥夫人がフェリシティ・ロット氏,オックス男爵がクルト・モル氏,オクタヴィアンがアンネ・ソフィー・フォン・オッター氏,ゾフィーがバーバラ・ボニー氏です.
私は,1993年盤が,とくにフェリシティ・ロット氏とアンネ・ソフィー・フォン・オッター氏とバーバラ・ボニー氏が素晴らしくお奨めと思います.
谷直樹
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