弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

「美術館女子」の問題

読売新聞と美術館連絡協議会の「美術館女子」が炎上です.
美術館連絡協議会とは,「全国の公立美術館が連携を図り、芸術、文化の向上および発展に資することを目的に、読売新聞社と日本レレビ放送網等の呼びかけで、1982年12月に設立された。現在は、47都道府県の公立美術館約150館が加盟。」とのことです.



美術館,美術品を背景にアイドルの写真を掲載する企画はどうなのでしょう.
小栗有以氏は,カメラが趣味だそうですから,すでに夢眠ねむ氏が行っていますが,東京都写真美術館で自分をだして語ってもらったほうがよかったのに,と思いました.

「地域に根ざした公立美術館の隠れた魅力やアートに触れる楽しさを、“映える写真”を通じて女性目線で再発見していく連載」だそうです.
これでは,ジェンダーにもとづく偏見や不平等があると言われても否定しがたい企画ではないでしょうか.
「映える」という言葉自体古いですし,小栗有以氏が渡辺麻友氏後継の正統派アイドルで綺麗なだけに,見せたいのは美術館,美術品を背景にしたアイドル小栗有以氏のように見えてしまうところも,美術愛好家からすると問題ではないでしょうか.美術作品を見たい人からすると,作品の前ではなく,横に立ってほしいと思うのは当然でしょう.

各地の美術館,美術品を紹介すること自体は悪いことではありませんので,第2回がどのようなものになるか,興味があります.

美術館とアイドルというコンセプトを維持するのであれば,私は,例えばタイトルを「あやちょと巡る美術館」に変えて,和田彩花氏と学芸員が美術館,美術品を新しい視点から紹介する企画にすればよいと思います.和田彩花氏は美術が好きで,三菱一号館美術館は「あやちょと巡る。画家が見たこども展」を配信していました.
「アート・マイレージ」の二番煎じになってしまうかもしれませんが...
日経新聞の「 アイドル和田彩花 西洋近代絵画の筆触を探る 浮かび上がる画家の創意 」は読み応えがあり,作品への愛情が感じられます.
「分厚い雲に覆われた空。太陽の存在は、雲の所々桃色に染まった部分と中央で白く照らされた部分によってほのめかされる。画面下半分では、波の運動が捉えられている。岩にぶつかった波しぶきは、もっとも明るい白の絵の具で表現され、強く目を引…」


毎日新聞は,「「女性は無知の観客か」「作品がまるで脇役」……「美術館女子」キャンペーンにネット上で批判」(2020年6月16日)は次のとおり伝えています.

「文章では「芸術って難しそう」と語り、知識は関係なく、感動が全てだと述べる。さらに「若い女性は『インスタ映え』に夢中」だとして、美術館を「映えスポット」と紹介。新たな自分を引き出してくれる魔力があり、「私の作品」がどう仕上がるのかと期待する。
 サイトには展示室内を含む美術館のあちこちで撮影した写真が何点もアップされているが、アイドルが作品に向き合っているのは1点のみ。美術館の企画にもかかわらず、主役はアイドルで、作品や美術館は背景に過ぎない。この企画の中での「作品」は、文章の「私の作品」という言葉が示す通り、アイドルの写真だ。写真説明でわずかに展示作品に触れ、「アートって、すごい」と感嘆するものの、実質、美術館は「撮影スポット」という扱いだ。」


谷直樹

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by medical-law | 2020-06-18 01:19