《彩雨》
一部が紅と黄色に染まった森,画面中央に大きな水車と茅葺きの家,手前に和傘をさす人が2人.しっとりした美しい日本の自然と生活が心にしみます.
描かれた場所は分かりませんが,水車からイメージされるのは宇治です.
徒然草第51段に次の記述があります.
「亀山殿の御池に 大井川の水をまかせられられんとて 大井の土民に仰せて 水車を作らせられけり
多くの銭を給ひて数日に営み出だして掛けたりけるに おほかた廻らざりければ とかく直しけれども つひに廻らで いたづらに立てりけり
さて 宇治の里人を召して こしらへさせられければ やすらかに結ひて参らせたりけるが 思ふやうに廻りて水を汲み入るること めでたかりけり
よろづに その道を知れる者は やんごとなきものなり」
大井の地元の人では回らなかった水車が,水車に長けた宇治の里人を呼んできたら,思うように回ったことから,何事も専門家は尊い,という話です.
谷直樹
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