《グレーの秋》
1900年のパリ万国博覧会のため2年間パリに滞在した浅井忠氏が,パリ南東のグレー=シュル=ロワンの風景を描いたものです.
同氏は,とても充実したパリ生活を送っています.
ロンドンに行き,留学中の夏目漱石氏に会っています.後に夏江漱石氏の小説に挿絵を描いています.『三四郎』に「細長い壁に一列にかかっている深見先生の遺画を見ると、なるほど原口さんの注意したごとくほとんど水彩ばかりである。三四郎が著しく感じたのは、その水彩の色が、どれもこれも薄くて、数が少なくって、対照に乏しくって、日向へでも出さないと引き立たないと思うほど地味にかいてあるという事である。その代り筆がちっとも滞っていない。ほとんど一気呵成に仕上げた趣がある。絵の具の下に鉛筆の輪郭が明らかに透いて見えるのでも、洒落な画風がわかる。」とありますが,この深見先生が浅井氏です.
谷直樹
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