弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

新潟県,手術による神経損傷事案で3400万円,生体モニター変化見逃しの肺塞栓事案で1226万円余で和解へ(報道)

にいがた経済新聞「新潟県が県立新発田病院の医療事故2件が双方同意に見込みになったと発表、損害賠償額の決定ついて9月県議会に提案へ」(2020年9月11日)は次のとおり報じました.

「新潟県は11日、医療事故に係る訴訟案件1件、民事調停案件1件について、裁判所から和解案及び調停案が提示され、いずれの案件も同意(和解および調停成立)する見込みとなったと発表した。これに伴い、9月県議会に損害賠償額の決定について提案する。

1件は県立新発田病院の訴訟案件。平成29年11月、新発田市在住の男性患者(50歳代)に、腰部脊柱管狭窄症による神経圧迫を取り除くための手術を行った際、誤って神経を損傷させ、 排泄障害などが残る事故が発生した。平成31年4月、解決を図るため県が民事調停申立(新潟簡易裁判所)。昨年9月、民事調停は不調となり患者が提訴(新潟地方裁判所)。その後、今年6月、裁判所から和解案が提示され、患者が同意する旨の意思を表示した。3,400万円の損害賠償額を議会に提案する。

もう1件は、同じく新発田病院の民事調停案件。平成30年4月、下越地域在住の女性(当時70歳代)に、両足の麻痺症状改善のための手術を実施。症状は改善したものの、2日後に合併症である肺血栓塞栓症を生じ患者は死亡した。

院内で検証の結果、より早く生体情報モニターの変化に気づけば、救命可能性があったと判断。今年6月、解決を図るため県が民事調停申立(新発田簡易裁判所)。7月に、裁判所から調停案が提示され、遺族が同意する旨の意思を表示した。1,226万7,788円の損害賠償額を議会に提案する。」


上記報道お件は私が担当したものではありません.
当事者間の話合いで示談が成立するとよいのですが,裁判所など第三者の関与が必要な場合もあります.平成29年12月と平成30年4月の事案です.やはり解決まで或る程度の時間を要するようです.

谷直樹

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by medical-law | 2020-09-12 17:00 | 医療事故・医療裁判