弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大阪高裁令和2年11月27日判決,凍結保存していた受精卵を無断で移植し出産した事案で自己決定権侵害を認める

大阪高裁令和2年11月27日判決(山田陽三裁判長)は,凍結保存していた受精卵を無断で移植し出産した事案で,個人はいつ誰との間で子をもうけるかを決めることができる自己決定権を有することを認め,同意なく移植し出産した元妻の行為が元夫の自己決定権を侵害する不法行為に当たるとし,約559万円の支払いを命じる判決を言い渡した,と報じられています.
原判決(大阪地裁令和2年3月12日判決(菊地浩明裁判長))は880万円の支払いを命じていましたので,少し減額されたことになり,その点は疑問を感じます.生命の誕生という重要な事項にかかわる自己決定権の侵害ですので,またこの判決が先例となりますので,或る程度高額の賠償が認められてしかるべきではなかったか,と思いました.
なお,この件は当職が担当したものではありません.

谷直樹

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by medical-law | 2020-12-18 05:11 | 医療事故・医療裁判