弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

国立大学医学部付属病院の元教授が第三者供賄罪の容疑で逮捕(報道)

NHK「○○大医学部付属病院の元教授 第三者供賄の疑いで逮捕」(2021年1月6日)は次のとおり報じました.

「○○大学医学部付属病院の○○部長だった元教授が、医療機器の調達をめぐってメーカー側から200万円をみずからが代表理事を務める団体の口座に振り込ませたとして、第三者供賄の疑いで逮捕されました。警察は、メーカーの支店の○○部長なども贈賄の疑いで逮捕し、どのようないきさつで機器が選定されたのかなど解明を進める方針です。

逮捕されたのは、収賄側が、○○大学医学部付属病院の○○部長だった元教授、○○○○容疑者(54)ら2人、贈賄側が、医療機器メーカー「○○」の○○支店○○部長の○○○○容疑者(48)ら3人です。

警察によりますと○○元教授らは、手術室などに設置する患者の呼吸や血液の状態などを把握するための機器を調達する際、○○の製品を選定する見返りに、おととし8月、200万円を賄賂としてみずからが代表理事を務める団体の口座に振り込ませたとして第三者供賄の疑いが持たれています。

警察は6日朝から、○○市○○区にある「○○」の支店などの関係先を捜索しました。

警察によりますと、問題の機器は6年かけてほかのメーカーの機器から贈賄側の製品に入れ替える計画になっていて、○○元教授は計画の作成に向けて大学側に要望書を提出していたということです。

警察は、どのようないきさつで機器が選定されたのかなど解明を進める方針です。

警察は逮捕した5人の認否について明らかにしていません。

○○大学「捜査にも全面的に協力」

元教授が逮捕されたことについて、○○大学は「大学としては遺憾に思っている。今後の捜査にも全面的に協力していく」とコメントしています。
元教授の同僚医師「病院内の評判よかった 裏切られた思い」
逮捕された元教授の(54)同僚だった男性医師がNHKのインタビューに応じました。

○○元教授は、○○センターの医師を経て、5年前に○○大学医学部付属病院の○○の准教授として赴任し、2年後、教授になりました。

○○元教授は○○の国内トップレベルの研究者として知られていたということで、同僚だった医師は「人望もあつくて非常に優秀だったので病院内の評判はよかったです。県内の麻酔科医のスキルアップのために、○○先生のコネクションを通じて専門家を招いたセミナーを頻繁に開催していて『○○大学の臨床麻酔部を研究の分野で盛り立てていこう、日本のトップを目指そう』という話をよくしていました」と振り返りました。

一方で、○○元教授は○○大学の研究のレベルをあげるためには研究費が必要だとして、審査が厳しく金額も少ない国からの研究費ではなく、企業からの研究費や寄付金を獲得することを目指していたということです。

これについて同僚だった医師は「○○元教授は『うちは、研究でのし上がる。○○大学は麻酔分野の研究で日本トップを目指す。麻酔科の分野で○○省や○○省の補助金を取るのは厳しい状況なので、企業からの研究費は極めて重要だ』などと、よく話していた」と証言しました。

○○元教授は研究や若手の育成を目的に、一般社団法人「○○」を設立して、みずからは代表理事を務め、大学病院への寄付金とは別に複数の企業から社団法人の口座に金を振り込んでもらい、研究会の開催費用や、それに伴う飲食費などにあてていたということです。

また、先月下旬には、○○元教授の部下だった元准教授が、実際には投与していない薬剤を投与したように電子カルテを改ざんしたとして起訴されましたが、○○が入手した第三者調査委員会による報告書や関係者の話などによると、○○元教授は、製薬会社からの寄付金を増やすために、薬剤を積極的に使用するよう元准教授たちに指示していたということです。

大学などによりますと、○○元教授はカルテの改ざんについては認識していないとして関与を否定していたということです。

○○元教授は、この問題が明らかになった後の去年10月、○○大学病院を退職しました。

同僚だった医師は、○○元教授と企業との関係性について「私たちにも企業などから積極的に研究費を獲得するように指示がありましたが、○○先生自身は企業との距離が近すぎるなと、ふだんから感じていました」と証言したうえで、今回の逮捕について「企業との不適切な関係は許されませんし、裏切られたなと思います。まだ亀井先生のことを信じているところもあるので、自分の口から真実を語ってほしいです」と話しました。

医療ガバナンス研究所 理事長「日本も情報開示の徹底を」

今回の事件について、みずからも医師で医療と金の問題を調べている「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は「医療の研究費は国の予算が減っていて、医療機器メーカーなど企業から医師への寄付金や協力は不可欠になっている。ただ、節度やモラルは必要で、一般社団法人を通すことでお金の流れが不透明になって癒着につながるおそれもあり、そうした中で起きた事件ではないか。アメリカなど海外では企業側が提供した金について開示する義務があるが、日本は業界の自主ルールに任されており、日本でも情報開示を徹底するべきだ」と話していました。


いわゆる私腹を肥やすというのとは違い,企業から研究費を集めるという流れの中での出来事のようです.
刑法第197条の2は,「公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。」と定めています.

谷直樹

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by medical-law | 2021-01-07 07:05 | 司法