弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

市立病院が9804件で診療録に指導内容や検査結果の記載が不足し3065万円返還(報道)


NHK「カルテの不備で診療報酬など返還」(2021年1月14日)は次のとおり報じました.

「根室市の市立病院でカルテに不備があり、北海道厚生局から診療報酬など3000万円余りの返還を求められていたことが分かりました。

市立根室病院によりますと、カルテの不備があったのはおととし2月から去年1月までの9804件で、指導内容や検査結果の記載が不足するなどのミスがあったということです。
去年2月に北海道厚生局の指導を受けて確認した結果、ミスが分かったということで、返還額は国民健康保険などの診療報酬と患者への診療費合わせて3065万円になるということです。
このうち9割にあたる診療報酬は返還を進めていますが、患者に返還する380万円分については今後、個別に整理した上で、返還手続きを進めていきたいとしています。
病院の加美山勝政事務長は「今後は適正な管理を徹底していきたい。結果的に返還が発生し、一部、返還できていないことについては大変申し訳ない」とコメントしています。」


診療録には検査,指導を記載していないため検査,指導についての診療報酬が認められなかった事案のようです.
医師法第24条,保険医療機関及び保険医療養担当規則第22条は診療録記載義務を定めています.
診療録には,少なくとも,診断の判断根拠となった症状,所見,,治療方針決定の根拠が書かれているべきと考えますが,医療内容のレベルが低い診療ほどこれらのことが書いていない傾向があるように思います.


谷直樹

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by medical-law | 2021-01-15 09:37 | 医療