弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

《ドービニーの庭》

《ドービニーの庭》(Le Jardin de Daubigny)は,フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van GOGH)氏の最晩年1890年の作品です.
2,3年前にシャルル=フランソワ・ドービニー(Charles-François Daubigny)展がありましたが,ドービニー氏は風景画に優れてた画家です.
バーゼル市立美術館とひろしま美術館とファン・ゴッホ美術館にそれぞれ《ドービニーの庭》と題する作品が所蔵されています.
バーゼル市立美術館とひろしま美術館のものは黒猫がいるかいないかの違いだけでほぼ同じです.ひろしま美術館の《ドービニーの庭》は黒猫が塗りつぶされています.西欧では魔女の使いとして不吉なものと扱われていますので,黒猫がいないほうが価値が高いと判断した人がいたのでしょう.
菱田春草氏の《黒き猫》,竹久夢二氏の《黒船屋》,速水御舟氏の《翠苔緑芝》,山口華楊氏の《青柿》など黒猫は日本では福猫として人気があるのですが.
バーゼル市立美術館の《ドービニーの庭》よりひろしま美術館の《ドービニーの庭》のほうが後で、制作されたのは自殺の2週間前頃であることがわかっています.絵画的にはひろしま美術館の《ドービニーの庭》のほうがゴッホ氏らしい作品です.この絵を描いた人が2週間後に自殺するとは考えられない,完成度の高い作品です.
王侯貴族がパトロンとなった時代は終わり,ゴッホ氏は弟の経済的援助に支えられ優れた作品を残しました.弟にとって身近にいる芸術家を応援支援することは喜びだったにちがいありません.


谷直樹

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by medical-law | 2021-02-19 06:52 | 趣味