広島高裁判令和3年2月24日,破裂動脈瘤のカテーテル手術後の死亡で約6700万円の賠償を命じる(報道)
「13年にくも膜下出血と診断され、広島赤十字・原爆病院での手術中に動脈瘤(りゅう)が破裂、その後死亡した広島市の女性=当時(41)=の遺族が日本赤十字社に賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、広島高裁であった。西井和徒裁判長は請求を退けた一審広島地裁判決を変更、病院側の過失を認定し、約6700万円の損害賠償を命じた。
西井裁判長は動脈瘤の破裂を防ぐ措置が不十分なまま手術を実施したと指摘。女性が受けたのは、開頭せずに血管内に複数のカテーテルを通して行う手術で、「難しい手術だとの説明義務を怠った」とも判断した。
二審判決によると、女性は13年6月19日、突発的な頭痛で広島赤十字・原爆病院を受診。即日受けた手術中に意識不明となり、翌月1日に死亡した。
女性の父親の上瀬忠義さん(75)は記者会見で「司法に良心があると思った」と話した。」
NHK「手術後死亡「病院側の過失」判決」(2021年2月24日)は次のとおり報じました.1
「8年前、広島赤十字・原爆病院で脳の血管の手術を受けた女性が死亡したのは手術ミスが原因だと遺族が訴えた裁判で、広島高等裁判所は1審とは逆に病院側の過失を認めおよそ6700万円の賠償を命じました。
平成25年、当時41歳だった女性は広島市中区にある広島赤十字・原爆病院で脳の血管にできたこぶのような「動脈りゅう」の破裂を防ぐ手術中にくも膜下出血を起こし、その後、死亡しました。
遺族は女性が死亡したのは手術ミスが原因だとして病院側におよそ7500万円の賠償を求める訴えを起こしましたが、おととし、広島地方裁判所は訴えを退けていました。
24日の2審の判決で広島高等裁判所の西井和徒裁判長は「動脈りゅうをふさぐ手術の過程で破裂しくも膜下出血が起きた」とした上で、「医師が動脈りゅうを傷つけないようする措置を適切にとらなかったことが女性の死亡につながった」などと指摘し、1審とは逆に病院側の過失を認め、およそ6700万円の賠償を命じました。
裁判のあと会見した女性の父親の上瀬忠義さん(75)は、「判決を聞いて驚いたと同時にほっとした。娘の墓に報告したい」と話していました。
判決について広島赤十字・原爆病院は「判決文を精査したうえで、今後の対応を検討したい」とコメントしています。」
報道の件は私が担当したものではありません.
1審判決とは真逆の判断で,破裂動脈瘤のカテーテル手術における注意義務の判断が参考になると思います.
谷直樹
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