弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

市立病院が頬骨弓骨折整復術の手術操作によって左側頭骨骨折及び頭蓋内出血が起きた可能性が極めて高い事案で和解

一宮市は,一宮市立市民病院において発生した、医療過誤について相手方患者(当時61歳)と53,805,712円の和解が成立したことを令和3年2月19日に公表しました.

「相手方は、平成31年2月16日、受傷により一宮市立市民病院の救急外来を受診しました。その際に行ったCT撮影により左頬骨弓骨折が見つかったため、同月26日、耳鼻いんこう科による左頬骨弓骨折整復術が施行されました。術後に整復確認の目的でCT撮影を行ったところ、頭蓋内出血が見つかりました。脳神経外科医師による緊急開頭血腫除去術が施行されましたが、これ以後、意思疎通が困難となり、日常生活は全介助の状態が継続しています。左頬骨弓骨折整復術直後に撮影されたCT画像の見直しにより、受傷直後に撮影されたCT画像には見られなかった左側頭骨骨折が認められ、頭蓋内出血を伴っていたという状況から、当該頬骨弓骨折整復術の手術操作によって左側頭骨骨折及び頭蓋内出血が起きた可能性が極めて高いため当院の過失は免れないと判断し、相手方と一宮市との間で協議を重ねた結果、損害賠償の額の合意に至ったものでございます。」

上記は私が担当したものではありません.
上記事実からすると,耳鼻いんこう科医師による左頬骨弓骨折整復術の手技上の過失があることになります.
手技上の過誤ですが,再発防止策についても知りたいところです.


谷直樹

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by medical-law | 2021-02-26 13:28 | 医療事故・医療裁判