弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

アントニオ・グテーレス国連事務総長,新型コロナウイルス流行下で男女間の格差増大と危機感を表明

共同通信「コロナで男女平等「後退」 国連総長が危機感」(2021年3月9日)は次のとおり報じました.

 【ニューヨーク共同】国連のグテレス事務総長は8日、「国際女性デー」に合わせたオンラインイベントで演説し、新型コロナウイルス流行下で女性が重要な役割を果たしているにもかかわらず、男女間の格差は増大しており、男女平等に向けたこれまでの進歩が「後退している」と危機感を表明した。

 グテレス氏は、新型コロナ対応のために最前線で闘う医療従事者らの「7割は女性だ」と指摘。一方で、新型コロナによって多くの女性が仕事を失うなどして貧困に苦しんでおり「男女間の格差は一層広がっている」との認識を示した。」


2021年の優先課題に関する加盟国へのアントニオ・グテーレス国連事務総長非公式ブリーフィング(ニューヨーク、2021年1月28日)」でも以下のとおりジェンダー平等の実現について述べていました.
「私たちの6番目の優先課題は、おそらく世界にとって最大の人権課題と言えるジェンダー平等です。
COVID-19は、目に見えないことがあまりにも多い現状に光を当てています。
女性は、人々とコミュニティーを生かすために欠かせないエッセンシャルワーカーです。
しかし、失業者の数も、貧困に陥った人々の数も、女性が男性を上回っています。
今回のパンデミックは、家庭内とオンラインでの暴力から、児童婚と性的搾取の増加に至るまで、ジェンダーを理由とする暴力のパンデミックにも火をつけました。
同時に、COVID-19への対応は、女性のリーダーシップの力も明らかにしました。
女性のリーダーは感染率を低く抑え、国を復興へと導いています。
事実、女性の平等な参加が社会を変革するインパクトを及ぼした例は、以前から枚挙に暇がありません。
社会保障への投資の増大。
ガバナンスの透明化。
より持続的な和平プロセス。
女性の平等なリーダーシップと代表は、私たちが流れを変えるために必要な要素です。
深く根を張った構造やモデルを変える時が来ています。フォーマル経済が機能しているのは、女性の無給のケア労働による補助を受けているからに他なりません。
ケア経済への投資は、経済成長とパンデミックからの復興の起爆剤となる可能性があります。
女性の権利を否定するアプローチや態度を克服するため、より大胆で焦点を絞った措置を取る時が来ています。
小手先の対応はもうやめましょう。
ジェンダー平等は可能です。
私たちは一緒に、その実現を図らなければなりません。」


谷直樹

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by medical-law | 2021-03-09 05:52 | 人権