弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

『高麗茶碗と大和茶碗』

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『高麗茶碗と大和茶碗』は,柳宗悦氏著『茶と美』(講談社学術文庫)に収められています.
国宝《喜左衛井戸》(大徳寺孤篷庵所蔵)は,門口造が厚く,竹節高台で,素地が粗く,枇杷色の釉がかかり,半透明の貫入がはいり補修の跡があります.没落し《喜左衛井戸》を抱いて亡くなった竹田喜左衛門の呪いにより,所有者には発疹が生じると言われ松平不昧公らに生じたと伝えられています.
柳氏は,一井戸二楽三唐津といわれるのが不満で,楽ごとき素人仕事と並べるものではなく,「茶碗は高麗に限る」と断言します.
柳氏は,高麗茶碗「前半生は飯茶碗,後半生は抹茶茶碗。この歴史を忘れてはならぬ。」と言います.「『井戸』は生活に当面した真面目な仕事である。玄人の手でのみできる仕事である。」と.
精緻な天目茶碗に対し,手ごねで地元の良いとは言えない土を使って,素朴さを追求した初代長次郎こそわび,さびの茶碗として崇めてきた私には衝撃でした.
井戸は井戸であって変わらないのですが,それを抹茶茶碗として賞でる日本人がいたわけで,作り手のみならず,見る側の美意識が美術品として成立するために不可欠です.生活に根ざした真面目な仕事が,飯茶碗で終わるか,抹茶茶碗となるかは,人との出会いのような気がします.

谷直樹

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by medical-law | 2021-05-03 04:38 | 趣味