弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大学病院で入力を誤まり,誤った規格の眼内レンズを挿入する医療過誤2件

秋田大学医学部附属病院は,令和3年5月11日,「秋田大学医学部附属病院において発生した医療過誤と再発防止について」をそのサイトに掲載しました.

「昨年,当院での眼疾患手術において,レンズ規格を決定する術前検査での作業上の過誤により誤った規格の眼内レンズが挿入され,再手術が必要となった医療事故が2件発生いたしました。
患者様ならびにご家族の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを,心よりお詫び申し上げます。
事故の概要につきましては,以下のとおりですが,患者様やご家族のプライバシー保護に万全を期すことを条件にご了承いただいた範囲内で作成しておりますので,何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

【経緯1】
患者様は本県在住の60歳代の男性で,昨年,眼疾患のため本院に入院され,入院当日に手術(超音波乳化吸引術,眼内レンズ挿入術)が施行されました。
退院後の外来受診時に行なわれた検査の結果,手術によって期待される焦点とは異なっており,誤った規格の眼内レンズが挿入されたことが判明いたしました。
手術において誤った眼内レンズが挿入されたことを患者様に直ちに説明し,眼内レンズ交換のための再手術の同意をいただきました。
同月,正しい規格の眼内レンズを挿入する再手術を行い,術後経過は良好で退院なさいました。

【経緯2】
患者様は本県在住の60歳代の男性で,昨年,眼疾患のため本院に入院され,入院翌日に手術(水晶体乳化吸引術,眼内レンズ挿入術,硝子体切除術)が施行されました。
退院後の外来受診時に行なわれた検査の結果,手術によって期待される焦点とは異なっており,誤った規格の眼内レンズが挿入されたことが判明いたしました。
手術において誤った眼内レンズが挿入されたことを患者様に直ちに説明し,眼内レンズ交換のための再手術の同意をいただきました。
翌々月,正しい規格の眼内レンズを挿入する再手術を行い,患者様の術後経過は良好で退院なさいました。

【原因】
眼内レンズの度数を決定する作業において,専用計算機へ担当医師が誤って入力したこと,また複数医師での確認作業をしていなかったことが原因と考えております。

【再発防止策】
今回の事故を踏まえ,以下の再発防止策を講じます。

①眼内レンズの規格を決定した後に,もう一度,すべての数値に誤りがないかチェックを行う。
②眼内レンズの規格決定作業に関するチェックを複数名で行う。
③最先端で適切な専用機器を購入予定。

今回の件につきましては,患者様ならびにご家族の皆様に重ねてお詫び申し上げますとともに,今後,再発防止に向け病院全体で安全対策に取り組んでまいります。」


上記は私が担当したものではありません.
眼内レンズの度数は眼軸長と角膜の曲率を計測して計算式にあてはめて決定します.計測した結果を間違えずに入力すること(入力ミスをしないこと)は眼科医にとって難しいことなのでしょうか.
「もう一度,すべての数値に誤りがないかチェックを行う。」は,眼科医が通常行っていることなのではないでしょうか.
入力ミスであわない眼内レンズを入れられ,再手術となるのでは患者はたまりません.
「眼内レンズの規格決定作業に関するチェックを複数名で行う。」というルールを作ったら,それを守り続けることが大事と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2021-05-11 22:54 | 医療事故・医療裁判