弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

静岡地裁沼津支部令和3年5月26日判決,教諭らに救急車を要請して心肺蘇生法を行いAEDを使用すべき義務を認定(報道)


NHK「県立特別支援学校教諭らの過失認める 県に支払い命令」(2021年5月27日)は次のとおり報じました.

「7年前、伊豆の国市の県立特別支援学校に通う男子生徒が歩行訓練中に意識を失った際、学校側が適切な対応を取らなかったため障害が重くなったなどと、生徒の母親が訴えた裁判で、静岡地方裁判所沼津支部は教諭らが救急車を呼び心肺蘇生法を行うべきだったなどと過失を認め県に7900万円余りを支払うよう命じました。

この裁判では、伊豆の国市の県立東部特別支援学校に通う当時中学1年生の男子生徒が平成26年12月、歩行の訓練中に意識を失い心肺停止となって救急搬送され、低酸素脳症を発症して障害が重くなったのは、教諭らが適切な対応をとらなかったからだとして、生徒の母親が県に対して、1億2200万円余りの損害賠償などを求めました。
これに対し、県は「教諭らの対応は、当時の心肺蘇生法のガイドラインに沿ったもので、過失はなかった」と主張していました。
26日の判決で静岡地方裁判所沼津支部の古閑美津惠裁判長は、教諭らは意識障害が発生したあと、救急車を要請して心肺蘇生法を行い、AEDを使用すべきであり、義務に違反した過失があり、生徒に重大な後遺障害が残ったと認めました。
そして、県に対して、7900万円余りを支払うよう命じました。
生徒側の代理人の弁護士は、「これを機に県内の特別支援学校における危機管理体制の不備に目を向けてほしい」とコメントしています。」


静岡新聞「静岡県に7906万円賠償命令 東部特別支援学校生、後遺症訴訟 地裁沼津支部」(2021年5年27日)は次のとおり報じました.

「静岡県立東部特別支援学校(伊豆の国市)に通っていた男子生徒が歩行訓練中に体調を崩したのに、学校側が適切な対応を取らなかったために寝たきりになったなどとして、男子生徒の母親が学校管理者の県に治療費など約1億2255万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、静岡地裁沼津支部は26日、県に約7906万円の支払いを命じた。
 古閑美津恵裁判長は判決理由で、教諭らは男子生徒の意識障害発生後の事後措置を執る義務を負っていたと指摘。救急車の要請と心肺蘇生法の実施義務に違反したとし、教諭の過失と後遺障害との因果関係を認めた。
 判決などによると、男子生徒は2014年12月、学校で歩行訓練中に意識を失って心肺停止となり、その後救急搬送されて心肺蘇生したが、低酸素脳症を発症して遷延性意識障害などになった。
 判決を受け県教委の木苗直秀教育長は「県の主張が認められず残念。判決内容を確認の上、控訴を含めて対応を検討する」とコメントした。原告側は、判決内容の詳細を確認していないためコメントは差し控えるとした上で、「いろいろな病気を抱える子どもたちが通う学校。緊急時の体制をしっかり整えてほしい」と話した。」

上記報道の件は私が担当したものではありません.
教諭らには,生徒の意識障害発生後,救急車を要請して心肺蘇生法にそってAEDを使用すべき義務が認められると考えられます.
谷直樹

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by medical-law | 2021-05-30 04:36 | 司法