小児医療センター,先天性の心臓疾患のある2歳児滲出性中耳炎の治療で激しく泣いて低酸素発作を起こし低酸素性虚血性脳症となり死亡した事案で3000万円賠償(報道)
「あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)は25日、2016年に同病院で耳の病気の処置を受けて先天性の心疾患が急変し、その後死亡した男児=当時(2つ)=の遺族に対し、約3000万円の賠償金を支払うと発表した。同病院と遺族は民事調停を行っていたが、24日に名古屋簡裁で和解が成立した。
病院によると、男児は生後6カ月だった16年11月、難聴の精密検査と治療のために耳鼻いんこう科を受診。左耳に滲出性中耳炎を併発していたため、担当医師が処置をしたところ、激しく泣いて低酸素発作を起こし、意識障害やけいれんなどの神経症状を発症する低酸素性虚血性脳症となった。
その後も入退院を繰り返し、19年2月に敗血症で死亡した。男児には先天性の心臓疾患があり、激しく泣くと低酸素状態に陥って発作を起こす可能性を指摘されていた。
病院側は遺族との和解内容で、男児が急変するリスクをより慎重に検討していれば、後遺症や死亡を回避できた可能性があったとして責任を認めた。25日に県庁で会見したあいち小児保健医療総合センターの伊藤浩明センター長は「この事態を重く受け止め、遺族には深くお悔やみ申し上げる」と述べた。」
中京テレビ「あいち小児保健医療総合センター 死亡男児遺族と和解成立 愛知・大府市」(2021年6月26日)は次のとおり報じました.
「愛知県大府市のあいち小児保健医療総合センターで治療を受けた後に敗血症で亡くなった男児の遺族と、センター側との間で24日、和解が成立しました。
これは、2016年に耳の治療を受けた男児が治療後に低酸素性虚血性脳症となり、容体が悪化、2019年に敗血症で亡くなりました。
男児は先天性の心疾患がありましたが、病院は、心疾患の治療が先に行われていれば、後遺症や死亡のリスクを回避できた可能性があったとする一方、治療のタイミングは不合理と言えず、処置が明らかに不適切だったとはいえないとしています。
病院では2017年度から、再発防止に向けた体制づくりに努めていて、遺族に3000万円を支払うことで和解が成立しました。」
あいち小児保健医療総合センターは「あいち小児保健医療総合センターで発生した事案の和解成立について」で次のとおり述べています.
「耳鼻いんこう科の担当医師としては、言語獲得等の発達に影響が出ないための治療開始期限が迫っている状況下で、治療の適切なタイミングを逸しないために処置を急いだという背景があり、それ自体は不合理とはいえない。また、チューブ留置術の実施については、SpO2の速やかな改善等を確認した上で処置を開始しており、明らかに不適切な判断であったとはいえない。しかし、リスクに対してより慎重な対処を取ることで、本件処置を契機とする後遺障害及び死亡を回避できた相当程度の可能性はあると考えている。現場全体で、少しでもリスクを感じたら進言し合えるような体制が作られていれば、慎重なリスク評価の下、処置を中止することもできたと考える。」
上記報道の件は私が担当したものではありません.
先天性の心臓疾患がある児について配慮が必要と思います.
谷直樹
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