弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

市民病院で術中大量出血し脳死状態になり死亡した事案が広島高裁で1億円和解(報道)

広島ホームテレビ「手術中のミスで男性死亡 1億円で和解 安佐市民病院」(2021年7月16日)は次のとおり報じました.

「手術中のミスで男性が死亡したとして遺族が損害賠償を求めていた裁判で、16日解決金一億円で和解しました。
この裁判は2015年、安佐市民病院で手術中の男性が大量出血し脳死状態になり死亡したのは医療ミスが原因だとして男性の遺族が約1億円の損害賠償を求めていたものです。
広島地裁は去年12月、医療ミスを認めおよそ8千2百万円の賠償を命じる判決を出しましたが病院側が控訴していました。
遺族側の弁護士によりますと先月下旬、広島高裁が双方に和解案を提示。病院側は医療ミスを認めて遺族に謝罪し、解決金1億円で和解したということです。
亡くなった男性の妻「本人は帰ってきませんけど(病院側に)みんなの前で頭下げてもらったのでそれで一区切りつけられるかな」
安佐市民病院の土手慶五院長は「患者さんが亡くなられたことを深くお詫び申し上げます。職員一丸となって医療安全対策に取り組んでまいります」とコメントしています。」


中国放送「手術後死亡 安佐市民病院 遺族と和解 遺憾の意の表明と和解金計1億円で」(2021年7月16日)は次のとおり報じました.

「広島市の安佐市民病院で胸の手術を受けた男性が、その後、死亡したのは、医師に過失があったからとして遺族が病院側に損害賠償を求めていた裁判で、16日、和解が成立しました。
 この裁判は、2015年、広島市立安佐市民病院で、胸の腫瘍を摘出する手術を受けた男性が、大量出血し、およそ1年後に死亡したのは、医師の過失が原因として、遺族が病院におよそ1億円の損害賠償を求めていたものです。
 去年12月、1審の広島地裁は、医師の過失を認め、病院側に合わせておよそ8200万円の支払いを命じました。
 病院側は控訴していましたが、遺族の弁護士によると、先月下旬、広島高裁から和解案が出され、病院側が遺族に対し遺憾の意を表明し、合わせて1億円を支払うことで16日、和解が成立しました。
 「みんなの前で頭を下げてもらって、やっと一区切りつけられるかなと。(病院には)最初からもっと誠意をもって接してほしかった。」(亡くなった男性の妻)
 安佐市民病院の土手慶五病院長は、「きょうまでの長い期間ご遺族のみなさまに多大な苦痛を与え続ける結果となり、お詫び申し上げます。今後、職員一丸となって医療安全対策に取り組んでまいります」とコメントしています。」


NHK「安佐市民病院で手術後死亡 病院側が謝罪・解決金支払いで和解」(2021年7月16日)は次のとおり報じました.

「6年前、広島市立安佐市民病院で胸の手術を受けた48歳の男性が死亡したのは、適切に手術が行われなかったのが原因だと遺族が訴えた裁判で、病院側が謝罪し解決金として1億円を支払うことで和解が成立しました。
平成27年11月、広島市立安佐市民病院で胸の腫瘍を取り除く手術を受けた男性が手術中に大量出血し意識が回復しないまま、翌年、48歳で死亡しました。
男性の遺族は、手術を執刀した医師が胸の腫瘍を取り除く際、血管の位置を十分確認せずに切断したことが死亡につながったとして、病院を運営する広島市立病院機構に対し、1億円余りの賠償を求めていました。
去年12月、広島地方裁判所は病院の過失を認めたうえで、4人の遺族にあわせて8200万円余りの賠償を支払うよう命じ、その後病院側が控訴していました。
広島高等裁判所は先月、和解案を示し、16日に裁判所で協議が行われた結果、病院側が遺族に対し謝罪し解決金として1億円を支払うことで和解が成立しました。
死亡した男性の妻は会見で「病院に謝罪してもらいやっと一区切りがついた。夫のお墓にも報告したい」と話していました。
一方、広島市立安佐市民病院の土手慶五病院長は「患者が亡くなったことを重く受け止め深くおわびを申し上げる。職員が一丸となって医療の安全対策に取り組みたい」とコメントしています。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
術中大量出血による死亡事案は基本的に有責と判断されることが多いと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2021-07-17 14:20 | 医療事故・医療裁判