弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

呼吸確保のチューブが外れた死亡事故で管理責任を問う裁判が始まる(報道)

UTYテレビ山梨「中学生の呼吸確保のチューブが外れた死亡事故 山梨県に約5200万円請求の裁判開始」(2021年11月16日)は次のとおり報じました.

「山梨県立あけぼの医療福祉センターで、入所していた男子中学生が死亡した事故を巡る民事裁判が始まりました。
両親は、県に約5200万円の損害賠償を求めましたが、県側は争う姿勢を示しました。
この事故は2018年12月、韮崎市の県立あけぼの医療福祉センターに入所していた当時15歳の男子中学生の呼吸を確保するためのチューブが外れ、その後、死亡したものです。
医療福祉センターが設置した調査委員会は、第三者が故意に外した可能性は低いと結論付けましたが、男子中学生の両親は、管理上の過失が事故の原因として、県に約5200万円の損害賠償を求めています。
11月16日の第一回口頭弁論で県側は、請求棄却を求め争う姿勢を示しました。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
男子中学生自身は寝たきりでチューブを外すことはできず,また第三者が故意に外した可能性は低いとすると,どのようにしてチューブが外れたかが問題になります.チューブが外れた機序が明らかで無いと,チューブが外れないようにする注意義務について誰にどのような注意義務違反があるのかの主張立証は難しくなります.
何らかの原因でチューブが外れることがあることが予見できたすれば,チューブが外れた場合に備え警報が鳴るなどの体制が必要となります.
朝日新聞「気管チューブ外れ、入所者死亡 山梨の医療福祉センター」(2018年12月7日)は,「センターによると、6日午前4時前、巡回中の看護師が、チューブが外れ心肺停止状態の入所者を発見。同日午後8時ごろ呼吸不全で亡くなった。2時間ごとに巡回していたという。入所者は病気のため気管が狭かった。昨年1月と2月にチューブが外れたため、同年9月にチューブを挿入しやすくする手術をし、約1カ月後に異常を検知する装置を外していたという。」と報じています.
異常を異常を検知する装置を外したことが管理上の過失にあたる可能性が大きいように思います.
裁判所が管理上の過失を認めるのか注目したいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2021-11-17 17:34 | 医療事故・医療裁判