弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

医療的ケア児気管切開チューブ計画外抜去による死亡事例

社会医療法人宏潤会大同病院は,2021年11月15日,「医療的ケア児気管切開チューブ計画外抜去による死亡事例」をそのサイトで公表しました.

「1.はじめに
2020 年12 月大同病院にて、一時委託保護と状態評価を兼ね入院した患児の気管切開チューブ計画外抜去による医療事故が発生しました。
本件の医療事故の発生原因を分析して再発防止の提言を行うために外部委員を入れた医療事故調査委員会による調査を行い、事故報告書は2021 年10 月6 日ご両親に報告、その後、医療事故調査・支援センターに調査結果を報告いたしました。

2.発生要因の検証
本件の要因として調査委員会より以下の3点についてご指摘いただきました。
1 つ目は、結果的に気管切開チューブの先端が気管外に迷入していたにも関わらず、口鼻からの人工呼吸へ切り換えるタイミングが遅れた点です。その背景として、再挿入した気管切開チューブが異所性迷入する可能性について過小評価したことや、救急対応にあたった多くの医療従事者間で気管切開チューブの確認についての意思疎通、コミュニケーションが不十分であったことが挙げられました。
2 つ目は、気管切開チューブと酸素チューブや人工呼吸器とを接続する箇所の固定具の使用は、気管切開チューブが気管から抜ける可能性が増すことの認識が不足していた点です。
3つ目は、付き添い者に対して、患者(児)を一人にすることの危険性についての注意喚起が不十分であった点です。

3.再発防止策
再発防止策として、教育と体制の改善、気管切開チューブと他のデバイスを固定する固定具に関するマニュアルの整備、家政婦を含めた付き添い者への説明と注意喚起が十分になされる説明文の作成、各種アラーム警報に看護師が早く気づくことができるシステムの導入などが挙げられました。

4.終わりに
ご遺族にあらためてお悔やみを申し上げるとともに、調査委員会からの報告内容、再発防止策に関する提言を真摯に受け止め、病院長および医療安全管理室にて、これらの再発防止策が着実に遂行されるよう努めてまいります。 」


上記の件は私が担当したものではありません.
医療事故のモデルにスイスチーズモデルがあります.いくつかのチーズの穴を貫いて結果が生じるというモデルです.
報告された3つの要因が重ならなければ結果は発生しなかったわけで非常に残念です.
再発防止に期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2021-11-18 12:57 | 医療事故・医療裁判