弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

市立輪島病院で医療事故約5800万円支払いへ(報道)

MRO北陸放送「石川・市立輪島病院で医療事故 賠償金約5800万円支払いへ」(2022年4月28日)は次のとおり報じました.

「石川県輪島市の市立輪島病院で去年医療事故が発生し、被害者に対し賠償金を支払うことを病院側が明らかにしました。
医療事故の詳細については、5月6日に発表するとしています。

市立輪島病院によりますと、去年病院で医療事故が起き、賠償金5800万円あまりを支払うため、輪島市は市議会に対し27日予算案を含む議案を上程しました。
市議会の臨時会は5月6日に開かれ、予算案について審議される予定ですが、病院側は医療事故の詳細について同じ日に説明するとしています。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
5月6日の発表が待たれます.

【追記】
TBS「医療事故はなぜ起きた?「胎盤早期剥離」で赤ちゃん死亡 主治医は“1人で4市町担当”」(2022年5月6日)は次のとおり報じました.

「石川県輪島市にある市立輪島病院は、産婦人科で去年6月、医師が診断を誤り、出産直後の赤ちゃんが死亡したと明らかにしました。

病院の説明によりますと、去年6月2日の午前6時前、里帰り出産で帰省していた東京都に住む妊娠35週の女性が体調不良を訴え、入院しました。

妊婦は、胎盤が出産前にはがれる「胎盤早期剥離」でしたが、主治医は出産が始まったと考え、早産と診断しました。その後、妊婦の状態が安定したため、主治医は午前11時45分に年次有給休暇を取得し、一旦、病院を離れました。

ところが、妊婦は正午ごろから出血が続き、助産師から電話で連絡を受けた主治医は、陣痛を促進するため子宮収縮剤の「オキシトシン」を投与するよう指示しました。オキシトシンを投与したところ、胎児の心拍数が急激に下がったため、投与を中止し、助産師は主治医に病院に戻るよう要請しました。主治医は午後3時45分に病院に戻りましたが、自然分娩が可能と判断し、帝王切開など緊急の処置はとりませんでした。

主治医はその後も判断を誤ったまま、再びオキシトシンを投与しましたが、胎児の心拍数が下がったため、午後8時10分に胎児の頭を吸い出す「吸引分娩」で緊急出産しました。赤ちゃんは仮死状態で、小児科医2人がすぐに治療に当たりましたが、その後に搬送された別の病院で翌朝、死亡しました。

医療事故はなぜ起きたか

事故後に病院に設置された医療事故調査委員会は、主治医が妊婦に詳しい聞き取りをしないまま「早産」と誤った診断をし、異常出血が続いたあとも、胎盤早期剥離を見逃したと指摘しました。

さらに、オキシトシンの投与は妊婦に事前に説明をしたうえで同意を得る必要がありましたが、主治医は一連の対応を怠っていたなど、病院に全面的な責任があると結論付けました。

また、主治医が不在だった間、胎盤早期剥離を疑った助産師もいましたが、主治医が病院に戻ったあと、スタッフ間で情報が共有されなかったため、不適切な治療が続いたということです。品川誠院長は「主治医は17年間、産科医を担ってきた自負から、周囲の提言を重要と認識していなかった」と説明し、助産師の中には提言しても取り合ってもらえないと感じていた人もいたということです。

事故を受け、病院は再発防止策をまとめ、スタッフ間で情報共有と意見交換を徹底するとしています。また35週以下の早産や、原因がわからない異常出血がある場合は、より高度な治療が可能な医療機関に速やかに搬送することにしました。

遺族の思いは

事故後、病院は遺族と話し合いを重ね、4月下旬、和解が成立したということです。

赤ちゃんの逸失利益や遺族への慰謝料など、合わせて5800万円余りを賠償金として支払う予定で、輪島市議会の臨時会が6日、予算案を全会一致で可決しました。
輪島市議会は6日賠償金を支払う予算案を可決した

病院の説明によりますと、遺族からは「しっかりと事故の内容と原因を公表し、損害賠償ありきにならないようにしてほしい」と強い要望があったということです。

奥能登の産科医不足

今回の医療事故では、奥能登の医師不足が改めて浮き彫りになりました。
能登半島北部の輪島市 2市2町の人口は約6万人

能登北部医療圏が管轄する輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の奥能登2市2町には、6年前まで3人の産科医がいましたが、2019年からは今回の主治医が1人だけの状況が続いていました。

品川院長は、主治医が有給休暇を取得したことについて、「休みをとること自体に問題があるわけではないが、異常な分娩であり病院を離れるべきではなかった」と述べました。そのうえで「他の産科医がいなくなって、この医師に負荷がかかっている。今年度に入ってからも夜間の帝王切開が3件あり、かなりストレスを感じている。産科医は複数いるべきだ」と話しました。

病院は事故後、月に1回から2回程度、当直の産科医を派遣してもらうことで大学病院と合意しましたが、坂口茂市長は今後も常勤医の確保に向けて県や大学への働きかけを続けることにしています。」


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ


by medical-law | 2022-04-30 22:46 | 医療事故・医療裁判