弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

ダヴィンチ操作を誤り患者死亡事案で和解(報道)

NHK「市立吹田市民病院 手術中の医療ミスで患者死亡 遺族と和解」(2022年5月19日)は次のとおり報じました.

「大阪・吹田市の市立吹田市民病院はおととし(2020年)10月、肺がんの手術中に医師が誤って患者の血管を傷つけ、患者がその後、死亡していたことを明らかにしました。
病院は、患者の遺族とはことし1月に和解したということで、「再発防止に努める」としています。

発表によりますと、おととし10月、医師が肺がんを患う60代の男性の手術を行っていたところ、誤って大動脈を傷つけたということです。
医師は、手術台から離れたところでモニターを見ながらロボットを操作していて、大量の出血があったことからすぐに手術を中断したものの、男性は脳に大きなダメージを受けて17日後に死亡しました。
病院は、事故の原因を突き止めるために、ほかの病院の医師らを含む調査委員会を立ち上げ、原因を調べてきました。
その結果、医師が「かんし」という医療器具を動かす際に、モニターに映っていない状態で、ロボットを操作したことがわかり、適切な操作をしていれば防げたと結論づけました。
これを受けて病院は、医療ミスとして遺族に謝罪するとともに、和解金を支払ったということです。
市立吹田市民病院の内藤雅文 病院長は「亡くなられた患者やご遺族へ深く
おわび申し上げます。再発防止のために、ロボット操作のトレーニングや緊急時の対応などの体制を強化し、医療の安全確保に努めてまいります」とコメントしています。」


毎日新聞「ロボット使用手術で患者死亡 執刀医がミス 大阪・吹田市民病院」(2022年5月19日)は次のとおり報じました.

「大阪府吹田市の市立吹田市民病院は19日、2020年10月に実施した手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った肺がん患者(60代男性)への手術で医療事故が発生し、患者が死亡していたことを明らかにした。執刀医が鉗子(かんし)を動かした際に大動脈を損傷し大量出血したことが原因。ロボットの不具合ではないという。遺族との和解が成立している。

 鉗子は部位を挟むのに使う金属製の医療器具。同病院によると、患者は20年9月、肺がんと診断された。同年10月27日にロボットを使って肺の一部を切除する内視鏡手術を受けた際、鉗子で大動脈が損傷して大量出血し、17日後に低酸素脳症で死亡。執刀した外科医が、鉗子をカメラで映る範囲外に無意識に動かした時、大動脈に接触させてしまったという。
 「ダヴィンチ」は人の手より繊細な動きができるとして注目されている手術支援ロボット。同病院では18年に導入し、22年4月末までに138件の手術で使用した。事故が起きた手術は、この外科医にとって25件目だった。
 同病院は事故調査委員会を設置し、21年6月に報告書をまとめた。22年1月に遺族との間で示談が成立し、その後、公表の同意も得られたという。
 同病院は「患者さまとご遺族へ深くおわび申し上げます。病院全体で医療安全の確保に努めたい」などとコメントした。【三角真理】」



共同通信「吹田市民病院で医療事故、60代男性死亡 肺がん手術の際誤って胸部大動脈を傷つけ大量出血」(2022年5月19日)は次のとおり報じました.

「大阪府吹田市の市立吹田市民病院は19日、2020年10月に肺がん手術を受けた60代の男性が死亡する医療事故があったと明らかにした。今年1月に遺族と和解が成立したという。

病院によると、20年10月27日、男性医師が肺葉切除手術の際、誤って男性の胸部大動脈を傷つけた。男性は大量出血し、同11月13日に低酸素脳症で死亡した。
内藤雅文院長は「深くおわび申し上げる。病院全体で医療安全の確保に努める」とのコメントを出した。(共同)」


読売新聞「ロボット手術で患者死亡…ミス認める 吹田市民病院」(2022年5月20日 )は次のとおり報じました.

 「吹田市の市立吹田市民病院は19日、手術支援ロボットを使った肺がんの内視鏡手術で、大動脈を傷つけて60歳代の男性患者を死亡させる医療事故があったと発表した。同病院はミスを認め、男性の遺族とは和解が成立したという。

 発表によると、同病院で2020年10月27日、男性の肺の一部を切除する内視鏡手術の際、外科医がロボットの遠隔操作を誤って医療器具で大動脈を損傷。大量出血し、男性は17日後に低酸素脳症で死亡したという。
 ロボットを使った内視鏡手術は、開胸手術より患者への負担が少なく、同病院では今年4月末までに138件の手術実績があり、肺がんの場合でも32件を実施してきたという。
 同病院は今年1月、遺族に謝罪して解決金を支払うなどすることで和解が成立。再発防止策として、手術チームの再トレーニングや緊急時対応の体制強化に取り組むとしている。
 内藤雅文院長は「亡くなられた患者と遺族に深くおわび申し上げる。今後、病院全体で医療安全の確保に努めたい」とコメントした。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
視野外での操作という人為的なミスです.
術視野の大事さを感じます.
ロボ ット支援手術プロク ター 認定制度がありますが、事故防止に有効なのでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2022-05-21 06:55 | 医療事故・医療裁判