弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

香川県、脊椎を固定する手術を行った際スクリューがずれ脊髄に損傷を与えた件で和解(報道)

KSB「香川県立中央病院の医療ミス訴訟 県は和解へ賠償金を支払う方針固める」(2022年6月10 日)は、次のとおり報じました.

 「5年前、香川県立中央病院で手術を受けた患者と家族が「医療ミスのため後遺症が残った」として県などに損害賠償を求めていた裁判で、県が和解に応じる方針を固めました。

 訴えを起こしているのは2017年5月、交通事故で香川県立中央病院に搬送された当時50代の患者と家族です。

 県によると、病院がこの患者に対し、CT画像などをもとにしたナビゲーションシステムを使って脊椎を固定する手術を行った際、スクリューがずれ、脊髄に損傷を与えたということです。

 その後遺症のため自力で歩けなくなったとして患者と家族は2020年、県と事故の加害者に合わせて約8300万円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。

 病院側は当初から過失を認めていて、県は、高松地裁から示された和解案に応じ、3700万円の賠償金を支払う方針を固めました。

 6月17日に開会する6月定例県議会に議案を提案します。」


産経新聞「香川県が3700万円賠償へ、手術ミスで脊髄損傷」(2022年6月10 日)は、次のとおり報じました.

「平成29年に香川県立中央病院(高松市)で背骨の手術を受けた際に脊髄が傷つき、左半身のしびれなどの後遺症を負ったとして同県の男性と家族が損害賠償を求めた訴訟があり、県は10日、高松地裁の和解勧告に応じ、医療ミスを認めて3700万円を支払うと発表した。県議会での関連議案可決を経て和解する見通し。

県によると、男性は29年5月、バイクで通勤中に交通事故に遭い、背骨を骨折して同病院に救急搬送された。医師が背骨をスクリュー(ねじ)で固定する手術をした際、挿入位置がずれて脊髄を損傷。男性は左半身のしびれや歩行障害などの後遺症を負った。

手術では挿入位置がモニター表示されるナビゲーションシステムを使用していたが、誤った位置が表示されていた。医師は、表示に違和感を覚えたが、そのまま手術を続けてしまったという。

男性らは令和2年に提訴。地裁が今年4月に和解を勧告した。」


上記報道の件は、私が担当したものではありません.
過失・因果関係が明らかなのに、示談交渉で金額に開きが大きいときは、提訴したほうが解決が早いことがあります.

谷直樹

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by medical-law | 2022-06-10 13:29 | 医療事故・医療裁判