弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

精密検査を行わず、患者が胆のう癌で死亡(報道)


NHK「がん発見が遅れ患者が死亡 豊後大野市民病院が遺族に賠償へ」(2002年8月24日)は、以下のとおり報じました.

「豊後大野市民病院は、胆のうがんの発見が遅れて患者が死亡したとして、遺族に1200万円を賠償する方針を明らかにしました。

病院によりますと、平成30年2月に別の病気で入院した市内の70代の女性は、CT検査で胆のうに異常が見つかり、精密検査が必要とされました。

しかし、その後、精密検査が行われていなかったということです。

女性はいったん退院しましたが、令和2年7月に腹痛などを訴えて市民病院に救急搬送され胆のうがんと診断されましたが、よくとしの12月に亡くなったということです。

豊後大野市民病院は、最初に入院した平成30年の段階で精密検査を行っていれば、がんを早い段階で発見できていたとして、ミスを認め女性の遺族に1200万円の賠償を行う方針だとしています。

病院は「このようなことが2度と起きないように検査のチェック体制を強化して再発防止を図っていきます」としています。

豊後大野市では、賠償にかかる議案を9月の定例市議会に提出することにしています。」

テレビ大分「がん疑われるも詳しい検査せず…市民病院1200万円賠償へ 女性は胆のうがんと診断され死亡・大分」(2002年8月24日)は、以下のとおり報じました.

「豊後大野市民病院で70代の女性に胆のうがんを疑われる症状が見つかったものの、医師が詳しい検査をせず去年、亡くなっていたことが分かりました。

市は遺族に1200万円の賠償金を支払う方針です。

豊後大野市民病院によりますと2018年2月、市内の70代の女性が尿路感染症と診断を受け1週間程度入院しました。

入院初日の検査で胆のうがんが疑われる症状が見つかりましたが、その際、主治医は詳しい検査をしなかったということです。

女性はおよそ2年5か月後のおととし7月に腹痛などがあり検査を受け、この時初めて胆のうがんと診断されました。

病院は過去の受診歴を調べる中で、主治医が適切な対応をしていなかったと判断し女性や家族に謝罪しましたが、女性は去年12月に亡くなりました。

病院は、1200万円の賠償金を支払うことで遺族と和解し、市は、市議会に賠償する議案を提出する方針です。」


上記報道の件は、私が担当したものではありません.
、CT検査で胆のうに異常が見つかり、精密検査が必要とされたにもかかわらず、精密検査が行われなかったのはどうしてでしょうか.
別の病気(尿路感染症)のことだけしか頭になかったのでしょうか.
不可解な事故です.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ


by medical-law | 2022-08-25 11:37 | 医療事故・医療裁判