弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

発症4.5時間内の超急性期脳梗塞症と早期虚血性変化

発症4.5時間内の超急性期脳梗塞症例でMRIを選択できればよいのですが、MRIが容易でない施設もあり、CTが選択される場合もあります。
発症4.5時間内の超急性期脳梗塞症例のCTでは、急性期出血を否定し、早期虚血性変化をみます。早期虚血性変化は、細胞傷害性浮腫による、皮髄質境界の不明瞭化、島皮質の不明瞭化、レンズ核の不明瞭化、脳溝の狭小化、消失に注目します。
発症4.5時間内に、急性期出血を否定でき、臨床症状と画像所見から超急性期脳梗塞と診断できれば、血栓溶解療法を実施することになります。

大阪地裁平成28年3月8日判決(判時2318号59頁)は、アーリーCTサイン(早期虚血性変化)とみられり画像所見があったにもかかわらず経過観察とした事案で、後遺症を軽減できた相当程度の可能性を認め、150万円の慰謝料を認めています。
CT画像があるので、アーリーCTサインの見逃しは比較的立証容易です。


谷直樹

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by medical-law | 2022-09-03 22:54 | 医療事故・医療裁判