再発防止委員会からの提言 子宮内感染~出生前に判断できない事例が多くありました~
「第12回 再発防止に関する報告書」における「子宮内感染について」から、「分析対象のうち臨床的絨毛膜羊膜炎の診断基準に該当した事例自体は少なく、胎児感染まで波及する可能性の高い臍帯炎の事例であっても診断基準に該当した事例は19.3%でした。子宮内感染の事例では、胎児心拍数陣痛図で胎児低酸素・酸血症を示唆する所見を認めない事例もみられました。妊娠・分娩経過では子宮内感染を示唆する症状をまったく認めず重症新生児仮死で出生し、胎盤病理組織学検査において子宮内感染と診断された事例がみられました。」とのことです。
そこで、以下の提言を発しています。
「まずは臨床的絨毛膜羊膜炎の診断基準への該当の有無を確認しましょう。
診断基準に該当した場合は、胎児心拍数の連続モニタリングや出生後の児の注意深い観察等、母児の状態を厳重に管理しましょう。
子宮内感染を示唆する症状を認めない場合でも、急激な胎児の状態変化に備え、急速遂娩の準備や小児科医への連絡等を迅速に行える体制を整備しましょう。
臨床的に絨毛膜羊膜炎が疑われた場合や重症新生児仮死を認めた場合等は、子宮内感染を発症している可能性を考慮し、胎盤病理組織学検査を実施して絨毛膜羊膜炎や臍帯炎の有無を確認しましょう。」
谷直樹
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