弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

戸倉三郎最高裁長官の弔辞

安倍晋三元首相の国葬で戸倉三郎最高裁長官が述べた弔辞は次のとおりです。

「本日ここに、従一位大勲位、故安倍晋三元内閣総理大臣の国葬儀が執り行われるに当たり、謹んで追悼の辞を申し上げます。

安倍元内閣総理大臣は、その生涯を通じ、高い指導力や先見性をもってわが国のために献身されました。特に、わが国が変革期を迎え、内外の情勢が困難な中にあって、長きにわたり、内閣総理大臣としての重責を担われ、わが国の繁栄のために全力を傾けられました。

この度の突然のご逝去は誠に痛恨の極みであります。ここに安倍元内閣総理大臣のご冥福を心からお祈り申し上げ、追悼の辞といたします。」


裁判所は,その職務の性質上,中立性,公平性を厳に維持しなければなりません。のみならず,裁判所の中立性,公平性について,国民に疑念を抱かれるようなことも避けなければなりません。
弔辞も、裁判所の中立性,公平性について,国民に疑念を抱かれるものであってはなりません。この弔辞を聞いた人が、裁判所が安倍政権を支持していたとの疑念を抱くとすれば,適切なものとはいえません。

安倍政権と司法といえば、あの出来事を想起せざるをえません。
最高裁判事の弁護士枠は日弁連推薦の弁護士があてられる慣行があったにもかかわらず、安倍政権のときに日弁連推薦外の弁護士(実質的には学者)を最高裁判事に任命したことは、司法への介入であり、三権分立を損なうものでした。

「わが国のために献身・・・わが国の繁栄のために全力を傾け・・・」
この弔辞は、皮肉なのでしょうか。


谷直樹

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by medical-law | 2022-09-27 20:59 | 司法