弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

医療安全情報No.191「容器の取り違えによる高濃度のアドレナリンの局所注射」

医療安全情報No.191「容器の取り違えによる高濃度のアドレナリンの局所注射」( 2022年10月)によると、手術時、局所麻酔剤を注射する際に容器を取り違え、高濃度のアドレナリンを誤って注射した事例が3件報告されています(集計期間:2019年1月1日~2022年8月)とのことです。

「事 例 1
看護師は、清潔野で、「1%Eキシロ+生食」のラベルを貼った薬杯にキシロカイン調製液(アドレナリン20万倍)、「外用ボスミン」のラベルを貼った薬杯にボスミン外用液0.1%(アドレナリン1000倍)を準備した。医師は、まずキシロカイン調製液で局所麻酔を行った。看護師は、次はボスミンに浸したガーゼを使うと思い、「外用ボスミン」の薬杯を手前に置いた。医師からは再度、局所麻酔剤の指示があった。看護師は薬杯の側面のラベルを確認せず、手前に置いていた薬杯から薬液を注射器に吸って医師に渡した。医師が合計4mLを注射後、患者の血圧が230/130mmHg、心拍数が130回/分まで上昇し、モニタでPVC散発、ST低下を認めた。看護師は誤ってボスミン外用液0.1%を渡したことに気付いた。

事 例 2
看護師は、キシロカイン調製液(アドレナリン30万倍)とボスミン外用液0.1%(アドレナリン1000倍)を同じ形状のシャーレに入れ、器械台に準備した。2つのシャーレは離して置き、キシロカイン調製液のシャーレの蓋に薬剤名を表示していた。手術開始後、医師からボスミン綿球の指示があり、看護師はボスミン外用液0.1%のシャーレをキシロカイン調製液のシャーレの隣に置いた。その後、医師から局所麻酔剤の指示があり、看護師はシャーレの薬液を吸って医師に渡した。医師が4mLを注射後、患者の血圧が270mmHgまで上昇し、看護師は誤ってボスミン外用液0.1%を渡したことに気付いた。」


事例が発生した医療機関では、「清潔野に局所麻酔剤とアドレナリン製剤を準備する際は、容器の形状を変え、見やすいところに薬剤名を表示する。」ようにしたとのことです。


谷直樹

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by medical-law | 2022-10-17 17:08 | 医療事故・医療裁判