弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京弁護士会も「国指定代理人による無断録音に抗議する会長声明」

東京弁護士会も、神奈川県弁護士会の2022年10月20日の「国の指定代理人による弁論準備手続の秘密録音に抗議する会長談話」に続いて、2022年11月28日、「国指定代理人による無断録音に抗議する会長声明」を発表しました。
日弁連も会長声明をだしてほしいです。

「2022年10月11日、国を被告として横浜地方裁判所横須賀支部で行われた労働事件の弁論準備手続において、和解協議のため被告国の代理人が退席し、裁判官・書記官・原告訴訟代理人のみが残った状況での裁判官と原告訴訟代理人とのやりとりの内容を、被告国の指定代理人(防衛省職員)が無断録音していたという事案が発生した(以下「本件録音行為」という)。
報道によれば、裁判所が録音機の内容を確認した結果、当該期日のみならず、同事件の本年7月以降に行われた訴訟期日の録音データも発見され、また、当該被告国の代理人は、録音内容を被告国側の打ち合わせに利用したと説明している、とされている。
双方当事者が対席(同席)している状況であっても、民事訴訟規則第77条は、裁判長の許可を得ずに法廷内で録音をすることを禁止しているから、本件録音行為は同条に反する違法行為である。のみならず、自らが退席した状況での、裁判官と相手方当事者とのやりとりを無断録音していた点で、「盗聴」というほかない行為であって、訴訟当事者間の訴訟遂行上の信頼関係を破壊し、裁判の公平公正を害するものである。憲法第32条が規定する国民の裁判を受ける権利は、裁判が公平公正であることによって初めて保障されるものであるから、被告国による本件録音行為は、憲法第32条にも抵触するものである。
そして上記報道が事実であるとすれば、本件録音行為は、被告国による組織的な行為であることがうかがわれ、国が当事者である他の事件でも行なわれていることが疑われる。
当会は、本件録音行為に対して強く抗議するとともに、法務大臣及び防衛大臣に対し、本件事案の真相を究明し、その結果を速やかに公表した上で、関係者に対する厳重な処分を含め、再発防止のための具体的な方策をとるように求める。
また、最高裁判所に対しても、本件の関係各省庁に対して毅然と抗議し、裁判の公平公正に対する国民の信頼を回復すべく、具体的な再発防止策を講じるように求める。」


谷直樹

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by medical-law | 2022-11-30 09:32 | 弁護士会