弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

医療関連機器圧迫創傷(Medical Device Related Pressure Ulcer: MDRPU)

一般社団法人日本褥瘡学会は、2016年に「ベストプラクティス医療関連機器圧迫創傷の予防と管理」を発刊しました。
医療関連機器圧迫創傷(Medical Device Related Pressure Ulcer:MDRPU)の定義は、次のとおりです。
医療関連機器による圧迫で生じる皮膚ないし下床の組織損傷であり、厳密には従来の褥瘡すなわち自重関連褥瘡(self load related pressure ulcer)と区別されるが、ともに圧迫創傷であり広い意味では褥瘡の範疇に属する。なお、尿道、消化管、気道等の粘膜に発生する創傷は含めない。
「ベストプラクティス医療関連機器圧迫創傷の予防と管理」には、MDRPUのリスクと予防について詳細に書かれています。
http://www.jspu.org/jpn/info/pdf/bestpractice_.pdf

令和3年の「医療事故情報収集等事業第67回報告書」の分析テーマの1つとして、「医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)に関連した事例」がとりあげられました。
MDRPUの背景には、患者要因とケア要因があり、ケア要因には、観察・記録の不足、アセスメント・計画の不足、知識・経験の不足がある、と分析されました。
https://www.med-safe.jp/pdf/report_67.pdf

医療安全情報No.192 (2022年11月)でも、「医療関連機器による圧迫創傷」が取り上げられました。
https://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_192.pdf

患者要因は解消できませんが、ケア要因については改善の余地があると思います。

谷直樹

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by medical-law | 2022-12-15 09:37 | 医療事故・医療裁判