弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

G7広島サミット

G7は、一時期ロシアを加えたG8で開催されていました。ロシアのクリミア併合によりソチでのG8開催はなくなり、その後はG7で開催されています。ロシア寄りのトランプ氏がアメリカの大統領だった頃は、G7の印象は薄かったように思います。
民主主義国家と権威主義国家の対立図式のなかで、G7広島サミットが「法の支配による国際秩序維持」を前面に掲げたことは大きな意義があったと思います。「法の支配」が政治的に使われることマイナスがあるにしても、侵略が「法の支配による国際秩序維持」に反するという主張は分かりやすいと思います。
招待国の選択が政治的ではありますが、インドなど8か国を招待し、グローバル・サウスとの連携強化を強調したこともよかったと思います。
G20は、1999年大阪、2020年リヤド、2021年ローマ、2022年バリで開かれ、2023年はニューデリーで開かれます。

ゼレンスキー大統領の会見、質疑応答をノーカットで見ました。同氏の発言は明快で説得力がありました。それぞれの国がどのような立ち位置をとるのかは、それぞれの国益(国の経済的利益)によるところが大きく、ゼレンスキー大統領がロシア寄りの国のトップと会談しても一朝一夕に変わるものではありませんが、理念を言い続けることは大事だと思いました。

広島弁護士会は、2023年3月22日、「G7広島サミットに際し核兵器禁止条約への署名・批准等を求める会長声明」を発出し、「G7サミットを世界最初の被爆地である広島で開催することの意義に鑑み、核兵器の廃絶に向けて、G7広島サミットに際して日本政府に対し、速やかに同条約に署名・批准するよう求める」としています。核兵器の廃絶を求める被爆者団体からはネガティブな評価になるのでしょうが、G7で核兵器の廃絶の声明がでるはずはありません。「理想に向かって現実的に歩みを進める」以上のことは一致できないでしょう。G7でできる範囲のことはできていたように思います。

谷直樹

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by medical-law | 2023-05-21 22:54 | 人権