弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

県立病院が胸腔穿刺後の死亡事故で2668万円支払へ(報道)

宮崎県は、2021年1月、県立日南病院に入院していた70代男性が胸腔穿刺の処置後に死亡する医療事故について損害賠償金2668万円を支払うことで遺族と合意し、6月定例県議会に関連議案を提出する、とのことです。
これは、私が担当した事件ではありませんん。
一般社団法人日本医療安全調査機構は、「医療事故の再発防止に向けた提言第 12 号 胸腔穿刺に係る死亡事例の分析」(2020年11月)を公表しています。にもかかわらず、胸腔穿刺の事故が起きていたことは残念です。

宮崎日日新聞「宮崎県立日南病院で医療事故 処置後死亡2668万円賠償」(2023年6月3日)御参照

【追記】
男性の心臓が病気の影響で膨らんでいたため針で動脈を傷つけた可能性が高いことが分かったそうです。CT検査で心臓の位置を確認するなどした上で処置を行うべきだったとのことです。
ちなみに、「医療事故の再発防止に向けた提言第 12 号 胸腔穿刺に係る死亡事例の分析」(2020年11月)の提言2で「提言2 心臓・大血管への穿刺を避けるため、胸腔穿刺の前には、穿刺部位や角度、深さなどを検討する。CT画像や超音波画像などで、事前に臓器と胸水貯留部位などの位置関係を確認することが望ましい。」とされています。

NHK「県立日南病院 県が医療ミスを認め遺族に賠償金支払いへ」(2023年月9日)御参照

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ


by medical-law | 2023-06-05 15:42 | 医療事故・医療裁判