経鼻胃管を抜去することを失念し、残存したまま胃切除を行った医療事故公表
「1. 事故の概要・経過
1) 2023 年、胃癌患者様に対してロボット支援下噴門側胃切除術を予定し手術を開始しました。胃及び食道切離の際、経鼻胃管を抜去することを失念し、残存したまま胃切除を行ってしまいました。術中にその事実に気づき、開腹胃全摘術・腸瘻造設術に変更しました。術後 8 日目までの経過は良好で、術後透視検査で縫合不全は認めないと判断し経口摂取を開始しましたが、術後 12 日目に食道空腸吻合部の縫合不全が判明しました。患者様及びご家族に病状をご説明し、右胸腔ドレナージと経鼻イレウス管により保存的に治療する方針としました。
2) 胃切除の際に経鼻胃管を抜去することを失念していなければ、予定術式を遂行でき、術後縫合不全を来さなかった可能性が極めて高く、患者様及びご家族に対してもこのような苦痛を与えてしまうことはなかったと思われます。
2. 事故発生後の病院としての対応
1)患者様・ご家族への対応
事故発生後、患者様・ご家族に経緯の説明と正式謝罪を行い、なしうる最大限の治療の提案・治療を遂行しております。
2)事故調査について
関係者へのヒアリング、現存するカルテ等の資料・画像等の精査を行うと共に、医療事故調査の為の院内事象分析を実施しました。
また、本件については第三者機関(保険会社を通じて他の医療機関医師)の見解を求めると共に、会津保健所への事故報告を行いました。
3. 再発防止策
1) 本事故以降、食道・胃・十二指腸を切離する際に、術者・助手・麻酔医・看護師による確認手順を厳格化し遵守しております。
2) 自動縫合器を使用する時の作業確認手順書を作成しました。今後手術室及び自動縫合器を使用する全ての診療科に周知し、遵守しております。」
忘れるということはありうるのでしょうが、これは気づいてほしかったです。
谷直樹
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