弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

CT検査診断報告書の「肺がんの疑いがある」を健診担当医が見ず、肺がんの診断治療が遅れる(報道)

市立病院で70代男性が2022 年10月に長寿健診で受けたCT検査について、2日後に放射線科の医師が「肺がんの疑いがある」と診断報告書に記載しました。ところが、健診担当医によると、重大疾患の疑いがあれば、直ちに口頭で報告があると思い込んでいて、診断報告書を確認しなかったとのことです。
健診担当医は4月末に記載内容を確認したものの、他院に入院中だったので、検査結果を家族に伝えたのは患者が呼吸困難で救急搬送された5月上旬だったとのことです。
2022年10月に肺癌の診断治療が始まったはずのものが、2023年5月になったのは、医療過誤です。

なお、病院は他には同様のことはないとしていましたが、2021年5月にも、がんの疑いの診断結果が5カ月間以上経過して受診者に伝えられた事例があったことが分かったそうです。

この件は私が担当したものではありません。
健診担当医が放射線科の診断報告書を見ない、見てもすぐに患者家族に伝えない、というのは問題と思います。
健診担当医の言い分は診断治療の遅れを正当化するものはないと思います。

京都新聞「肺がんの疑い」家族への伝達は半年以上も後 男性はその後肺がんに 病院側「ミス」を謝罪」(2023年7月13日)御参照肺がんの疑い」家族への伝達は半年以上も後 男性はその後肺がんに 病院側「ミス」を謝罪

谷直樹

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by medical-law | 2023-07-14 10:20 | 医療事故・医療裁判