弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

改正旅館業法の円滑な施行に向けた検討会 とりまとめ

令和5年10月10日に「改正旅館業法の円滑な施行に向けた検討会とりまとめ」が示されました。

「障害を理由とする宿泊拒否は、少なからず発生しているとみられるほか、旅館業の施設における合理的配慮の認知度や令和6年4月に施行される事業者による合理的配慮の提供の義務化の認知度、研修の実施率のデータから、障害者として障害の状況等を営業者に伝達した場合、宿泊拒否を含む不当な差別的取扱いを受けるのではないかと懸念することも考えられる。

これらを踏まえ、合理的配慮の提供に向けての営業者側の行動の変容は、障害者側からの障害の状況等に関する情報の伝達を促すことにつながると考えられるため、指針において、次のような点に留意するよう営業者に注意を促すことが適当である。
・ 営業者は、障害者差別解消法に関する研修を行う等して、合理的配慮等に関する知識の浸透に努めること
・ 安全上の問題も障害者差別解消法上の正当な理由の一事由になりうると考えられるが、それが本当に正当と言えるかどうかは慎重な判断が求められると考えられること
・ 緊急時の対応など安全上の懸念がある場合には、建設的な対話を通じて検討し、代替案を提示すること等が重要であること
・ 施設面等の環境整備やその情報の公開は、障害の特性を踏まえた対応を行う上での前提となる重要な一部でもあること
・ 障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針において、「合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たらない」とされていること」


「研修ツール
○ 改正法施行までの期間が限られていることから、厚生労働省は、まずは改正法や政省令、指針の趣旨や内容を中心に、分かりやすく簡潔にまとめた研修ツール(動画を含む。)を作成し、施行までの期間、その内容の浸透に努めることが適当である。
〇 また、障害者差別解消法が令和6年4月に事業者についても合理的配慮の義務化の施行を迎えることから、それまでの間に障害者差別解消法に基づく衛生事業者向けガイドラインの改訂版における旅館業関係の内容を研修ツールとしてまとめて公表することが適当である。その際、合理的配慮と建設的対話のプロセスが理解できるものとすることが適当である。」


「相談窓口
○ 更に、事例を営業者間で共有する観点や営業者にとっての相談窓口の多様化を図る観点から、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会において営業者用の相談窓口の設置を検討することが望ましい。
また、国内外の宿泊しようとする者にとっての相談窓口の多様化を図る観点から、宿泊しようとする者が相談できる都道府県等以外の窓口について、厚生労働省は周知をすることが適当である。
○ 厚生労働省においては、旅館業の施設内に掲示できる相談窓口一覧の資料を用意するほか、これらの相談窓口において適切に応対できるように相談窓口の支援を行うとともに、これらの相談窓口で集積された事例について、必要に応じてこれらの相談窓口に対してアンケート調査等を行い、プライバシーに配慮した上で、研修ツールの改定や見直し検討に活用することが適当である。」


谷直樹

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by medical-law | 2023-10-16 10:48 | 人権