弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

論文「再生医療法に基づく再生医療で生じる有害事象の報告状況を調査―報告件数の少なさは何を意味するのか?」

国立がん研究センター研究支援センター 生命倫理部の一家綱邦氏らは、Stem Cell Reports誌に“Does the Act on the Safety of Regenerative Medicine in Japan ensure "Safety"? : Implications of low adverse event reporting”を発表しました。
https://www.cell.com/stem-cell-reports/fulltext/S2213-6711(23)00414-9

国立がん研究センター研究支援センターのサイトに論文の概要が掲載されています。

再生医療法に基づいて専ら自由診療で行われる再生医療の治療計画においては、およそ10万回の細胞投与に対して報告件数が10回未満であったことが分かりました。それに対して、国が承認した再生医療等製品を使用した治療においては、およそ3~4回の使用に対して1回の報告があることが分かりました。また、過去の報道に基づき、再生医療を受けた患者の有害事象発生についての訴えが、実施者に受け入れられず、その計画を審査した委員会に報告されていないケースがあることも推測されました。以上のことから、「再生医療の安全性を確保すること」を目的とする法律に基づく自由診療において、有害事象の発生が適切に報告・検討されていない可能性が示唆されました。」とのことです。

再生医療法に基づく再生医療で生じる有害事象の報告状況を調査―報告件数の少なさは何を意味するのか?

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ


by medical-law | 2023-11-21 16:12 | 医療