弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

スタッフステーションに看護師不在でアラームに気づかず患者が意識不明、死亡となった件で2150万円で和解(報道)

80歳代の女性が、2021年9月に転倒し救急搬送され気管切開し、同年12月に気管孔を閉じるため県立病院に再入院したところ、午後1時ごろ主治医が病室で心肺停止状態にあるのを発見したが、意識が戻らず、2023年2月に死亡した事案で、県は遺族に2150万円を支払って和解する、と報じられていました。
正午過ぎに酸素飽和濃度低下を知らせるアラームが鳴っていましたが、監視のためにスタッフステーションに常駐すべき看護師が他の患者に対応していて不在だったとのことです。看護師の人数が足りていないのかもしれませんが、アラームに迅速に対応する体制がとれなかったとすれば、病院の責任です。病院は、再発防止策として、アラームの警戒音を段階的に変化させる機能を加え、看護補助スタッフを3人から4人に増員したとのことです。
2150万円の内訳は、おそらく慰謝料2000万円、葬儀関連費用150万円でしょう。
高齢であっても死亡慰謝料は2000万円をした回りません。
なお、この件は私が担当したものではありません。

神戸新聞「アラーム見逃され、入院中の80代女性が死亡 尼崎総合医療センター、県が遺族に賠償へ」(2024年2月13日)御参照


谷直樹

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by medical-law | 2024-02-14 08:00 | 医療事故・医療裁判