弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大動脈弁置換術で人工弁を逆向きに装着する医療過誤、県が約2600万円を支払うことで和解(報道)

報道によると、県立病院で、大動脈弁狭窄症の65歳以上の男性が2022年5月に人工弁による大動脈弁置換術を受けた際、放射線技師2名が準備段階で人工弁を専用の機器に誤って逆向きに装着し、手術を担当した医師が向きを確認せず、逆向きにつけたため血液の流れが異常をきたし、気づいた医師が新たな人工弁をつけて手術を終え、患者は一時は歩けるまでに回復しましたが、2023年2月に多臓器不全のため死亡した、とのことです。
県は、この医療過誤について賠償金として約2600万円を遺族に支払う議案を議会に提出しているとのことです。

院長は、「本事案で使用した製品はどちらの向きでも弁をカテーテルに装着できる構造となっていたことからヒューマンエラーによる事故発生の危険性をはらんでいましたが手順書では具体的には誰がどのような手順で機器を人工弁に装着し人工弁の向きを確認するか明確になっていなかったことが職員の認識不足につながったものと考えております」と述べたことが報じられています。

因果関係についての不毛な争いにならずよかったと思います。
なお、上記報道の件は私が担当したものではありません。

RKB山陽放送「香川県立中央病院が手術ミスで患者1人死亡 病院は遺族に謝罪し和解が成立する見通し」(2024年3月12日)御参照

谷直樹

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by medical-law | 2024-03-13 09:15 | 医療事故・医療裁判