札幌刑務所における精神障害受刑者処遇・社会復帰支援モデル事業
「令和4年の新受刑者のうち、精神障害(知的障害を含む。)を有すると診断された者は、2,435名(新受刑者総数の約17%)であり、うち、入所回数が2回以上の者は、66.9%に上っており、診断のない者のその割合(54.5%)と比較すると、再入所者の占める割合が高い状況となっています。本人が自身の精神障害や保健医療・福祉サービスを十分に理解していないなどの理由により、自ら各種支援を拒否する場合も少なくありません。
そこで、拘禁刑が導入されることも見据え、札幌刑務所(北海道札幌市)において、北海道内所在の刑事施設から精神障害を有する受刑者20名程度を集約し、刑務官に加え、医師、看護師、作業療法士、福祉専門官等の専門職と、保健医療・福祉関係等の外部専門機関が協力した多種職・多機関連携によるチーム処遇を要として、適切な治療と障害特性を踏まえた処遇を実施します。
また、対象者の障害受容を促し、各種支援の必要性を十分に理解できるよう働き掛けを行った上で、保健医療サービスの利用に向けた調整、福祉サービス等を受けるために必要な精神障害者保健福祉手帳の取得に向けた調整など、在所中から出所後まで一貫性のある息の長い社会復帰支援を行います。
矯正局としては、この新たな事業をモデル事業として位置付け、その効果を適切に検証した上で、地域の実情も考慮しながら、更なる展開の可能性を検討してまいります。 」
「精神疾患の治療を行いつつ、出所後の地域社会での生活を見据えて、
①医療機関と連携した治療、
②機能向上作業・障害特性に応じた刑務作業等、
③当事者研究等の専門的手法を取り入れた処遇、
④在所中からの精神障害者保健福祉手帳の取得に向けた調整、
⑤地域社会での安定した生活を継続させる息の長い寄り添い型支援を可能とする社会復帰支援を実施」
当初は特に精神病性障害の陰性症状が進んでいる者を対象とし、事業の効果検証期間として約5年を設け、得られた知見は拘禁刑導入後の受刑者処遇にも生かすとのことです。
札幌といえば先日起訴された ]精神科医一家のあの事件を想起します。
このモデル事業に注目したいと思います。
谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
↓

